69AM077|第69回 臨床検査技師国家試験 過去問
血中薬物濃度測定による治療薬物モニタリング〈TDM〉の対象となるのはどれか。
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正解: 4
正答
4.ゲンタマイシン
この問題のポイント
抗菌薬の中から、治療域が狭く腎機能による個人差と濃度依存性毒性が大きいTDM対象薬を選ぶ問題です。
解説
治療薬物モニタリング(therapeutic drug monitoring:TDM)は、適切な時刻に採取した血液で薬物濃度を測定し、効果を確保しながら毒性を避けるよう投与量・投与間隔を調節する方法です。ゲンタマイシンはアミノグリコシド系抗菌薬で、細菌の30Sリボソームへ結合して蛋白合成を阻害します。濃度依存的な殺菌作用と投与後も効果が続く抗菌薬持続効果をもちますが、治療域が狭く、高濃度や蓄積によって腎障害、耳毒性を起こし得ます。主として腎から排泄されるため、腎機能、年齢、体液量によって血中濃度が大きく変わります。このためピーク濃度は有効性、次回投与直前のトラフ濃度は蓄積・毒性の評価に使い、投与法によっては単回採血値をノモグラムへ当てはめます。採血時刻と点滴終了時刻がずれると解釈を誤るので、時刻記録が不可欠です。アンピシリン、イミペネム、エリスロマイシン、セファゾリンでも特殊な重症例で濃度測定が検討されることはありますが、国家試験で問う日常的な代表TDM対象はゲンタマイシンです。
選択肢の確認
1.アンピシリン:誤り。β-ラクタム系抗菌薬で、通常診療では日常的な血中濃度TDM対象ではありません。
2.イミペネム:誤り。カルバペネム系で、特殊な病態を除きルーチンTDMの代表薬ではありません。
3.エリスロマイシン:誤り。マクロライド系で、通常は血中濃度を測って投与設計する薬ではありません。
4.ゲンタマイシン:正しい。治療域が狭く、腎毒性・耳毒性と腎排泄の個人差があるため代表的なTDM対象です。
5.セファゾリン:誤り。セフェム系で、通常の投与ではルーチンTDMの対象になりません。
覚えるポイント
- ゲンタマイシンは濃度依存性殺菌作用をもつアミノグリコシド系である。
- 腎排泄性で治療域が狭く、腎毒性・耳毒性を避けるためTDMを行う。
- TDMでは投与時刻、点滴終了時刻、採血時刻を正確に記録する。
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