115B090|第115回 歯科医師国家試験 過去問
21 歳の女性。歯並びが悪いことを主訴として来院した。検査の結果、FMA が 33.0 度、IMPA が95.0 度、下顎のrequired arch length は68.0 mm、available arch length は69.0 mm であり、Spee 彎曲の深さは0.0 mm であった。 Total discrepancy を算出せよ。 ただし、FMIA の基準値は57.0 度とする。なお、小数点以下の数値が得られた 場合には、小数点第 2位を四捨五入すること。 (数値回答形式を選択式に変換)
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正解: e
正答
e
この問題のポイント
Total discrepancyは、歯列弓の空隙不足だけでなく、下顎前歯歯軸の頭部エックス線規格写真上の補正量とSpee 彎曲を加味して求めます。本症例では3.0mmです。
解説
1.実測FMIAを求める
Tweed三角では、次の関係が成り立ちます。
FMA + IMPA + FMIA = 180度
FMIA = 180 - 33.0 - 95.0 = 52.0度
2.下顎前歯歯軸の補正に必要な空隙を求める
FMIAの基準値は57.0度です。
基準値との差 = 57.0 - 52.0 = 5.0度
下顎前歯を1度舌側傾斜させるために必要な空隙を0.8mmとして扱います。
頭部エックス線規格写真上の補正量 = 5.0 × 0.8 = 4.0mm
3.歯列弓長の余裕を求める
required arch lengthは68.0mm、available arch lengthは69.0mmです。
利用可能な長さが必要な長さより1.0mm多いため、1.0mmの余裕があります。
4.Spee 彎曲を加える
Spee 彎曲の深さは0.0mmなので、追加の空隙は不要です。
5.Total discrepancyを求める
必要な補正量4.0mmから、歯列弓の余裕1.0mmを差し引きます。
Total discrepancy = 4.0 - 1.0 + 0.0 = 3.0mm
したがって、正答はeです。
計算のポイント
まずTweed三角からFMIAを計算します。次に基準FMIAとの差をmmへ換算し、歯列弓の空隙余裕とSpee 彎曲を調整します。
選択肢の確認
a.3.1mm
誤り。
計算結果は3.0mmであり、3.1mmにはなりません。
b.3.2mm
誤り。
FMIA差5.0度を0.8mmずつ換算すると4.0mmであり、歯列弓の余裕1.0mmを差し引くと3.0mmです。
c.2.8mm
誤り。
換算係数または歯列弓長の差を誤ると生じ得る値ですが、正しい計算結果ではありません。
d.2.9mm
誤り。
小数点以下の丸めを行う前から計算結果は3.0mmであり、2.9mmにはなりません。
e.3.0mm
正しい。
FMIA補正4.0mmから歯列弓の余裕1.0mmを差し引き、Spee 彎曲0.0mmを加えると3.0mmです。
覚えるポイント
- Tweed三角はFMA + IMPA + FMIA = 180度です。
- FMIA差は、1度あたり0.8mmとして空隙量へ換算します。
- 本症例は4.0mmの補正量を1.0mmの空隙余裕が相殺し、Total discrepancyは3.0mmです。