117B048|第117回 歯科医師国家試験 過去問
20 歳の男性。前歯で物が咬みにくいことを主訴として来院した。診断の結果、 抜歯を伴うマルチブラケット装置を用いた矯正歯科治療を行うこととした。初診時 の顔面写真(別冊No. 14A)、口腔内写真(別冊No. 14B)及びエックス線画像(別冊 No. 14C)を別に示す。セファロ分析の結果を図に示す。 適切な抜歯部位(智歯を除く)はどれか。1 つ選べ。

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正解: d
正答
d
この問題のポイント
矯正抜歯部位は、上下顎それぞれの叢生量、前歯の移動量、臼歯関係、顔貌から決定します。
解説
第一小臼歯を抜去すると前歯に近い位置で空隙が得られ、前歯の後退や叢生改善に利用しやすくなります。第二小臼歯抜去では、第一小臼歯を残しつつ臼歯の近心移動量を確保しやすく、前歯後退量を相対的に抑える計画に用いられます。
本症例では、画像とセファロ分析から、上顎では第二小臼歯、下顎では第一小臼歯を選ぶ組合せが適切です。
画像の確認
実画像では、上下前歯に叢生と開咬があり、セファロ図では上下切歯の歯軸と口元の突出度に上下差が示されている。上顎では臼歯近心移動も利用する第二小臼歯、下顎では前歯に近い第一小臼歯を左右抜歯する配置、すなわち上5・5/下4・4の正答dを支持する。
選択肢の確認
a.2 2
誤り。
側切歯の抜去を示す組合せは、通常の叢生改善で第一選択となる抜歯パターンではありません。
b.4 4
誤り。
上顎のみの小臼歯抜去では、本症例の上下顎の空隙需要を満たしません。
c.4 4 5 5
誤り。
上顎第一小臼歯と下顎第二小臼歯の組合せは、画像・分析から求められる前歯移動量の配分と合いません。
d.5 5 4 4
正しい。
上顎第二小臼歯と下顎第一小臼歯を抜去し、上下顎で必要な前歯移動量と臼歯移動量を調整します。
e.2 2 5 5
誤り。
上顎側切歯を含む抜歯は、審美性や歯冠形態、咬合の点から本症例の適切な選択ではありません。
覚えるポイント
- 第一小臼歯抜去は前歯後退に空隙を使いやすい。
- 第二小臼歯抜去は臼歯近心移動を利用しやすい。
- 抜歯部位は叢生、前歯傾斜、顔貌、臼歯関係で決める。