117C069|第117回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床歯科矯正学
矯正装置の写真(別冊No. 28)を別に示す。 治療後に増加するのはどれか。2 つ選べ。

2つ選択
解答・解説を見る
正解: b・d
正答
b、d
この問題のポイント
口唇圧を排除する装置では、下顎前歯が唇側へ傾斜し、臼歯の遠心移動などによってIMPAと歯列弓長径が増加します。
解説
写真の装置は頬・口唇の圧を歯列から遠ざけ、舌圧を相対的に優位にすることで下顎歯列を拡大するタイプです。下顎前歯が唇側傾斜すると、下顎下縁平面と下顎切歯軸の角度であるIMPAが増加します。
また、臼歯の遠心移動や前歯の唇側移動により歯列弓長径が増加します。歯槽基底骨そのものの幅や、下顎骨の前後的位置を表すSNB角を直接増加させる装置ではありません。
画像の確認
実画像では、下顎第一大臼歯のバンドから前歯唇側へ太いワイヤーと樹脂パッドが延びるリップバンパーが写っている。口唇圧を排除して下顎前歯を唇側傾斜させ歯列弓長径を拡大する装置であり、IMPAと歯列弓長径が増す正答b・dに対応する。
選択肢の確認
a.FMIA
誤り。
下顎前歯が唇側傾斜すると、FMIAは一般に減少方向へ変化します。
b.IMPA
正しい。
下顎前歯の唇側傾斜によりIMPAが増加します。
c.SNB 角
誤り。
SNB角は頭蓋底に対する下顎骨の前後的位置を示し、歯列拡大装置の主作用で増加しません。
d.歯列弓長径
正しい。
前歯の唇側移動や臼歯の遠心移動によって歯列弓長径が増加します。
e.歯槽基底弓幅径
誤り。
歯槽基底弓幅径は基底骨の幅であり、歯の傾斜移動による歯列弓拡大と同一ではありません。
覚えるポイント
- IMPAは下顎下縁平面と下顎切歯軸の角度。
- 下顎前歯の唇側傾斜でIMPAは増加、FMIAは減少。
- 歯列弓の拡大と歯槽基底骨の拡大を区別する。