119C075|第119回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床歯科矯正学
6 歳の男児。前歯の歯並びが悪いことを主訴として来院した。口腔外科での手術 の既往がある。初診時の顔面写真(別冊No. 29A)、口腔内写真(別冊No. 29B)、 エックス線画像(別冊No. 29C)及び歯科用コーンビームCT(別冊No. 29D)を別に 示す。セファロ分析の結果を図に示す。 適切な矯正装置はどれか。1 つ選べ。

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
口腔外科手術歴と前歯部反対咬合を伴う成長期症例では、上顎劣成長の改善を目的に上顎前方牽引装置を用います。
解説
唇顎口蓋裂などの術後では、瘢痕や縫合部の影響で上顎骨の前方成長が抑制され、骨格性Ⅲ級や前歯部反対咬合を生じることがあります。成長期には上顎前方牽引装置で上顎骨を前方へ誘導します。
必要に応じて上顎拡大装置を併用して縫合部へ作用させますが、設問で主に求められる装置は前方牽引装置です。
画像の確認
実画像A・Bでは口唇口蓋裂術後の瘢痕と上顎歯列狭窄、前歯部反対咬合があり、C・Dでも裂部周囲の歯槽骨欠損と上顎劣成長が示される。セファロ所見を含めて上顎骨の前方成長を促す必要があるため、上顎前方牽引装置を選ぶ。
選択肢の確認
a.急速拡大装置
誤り。
急速拡大装置は上顎歯列・上顎骨の側方拡大に用いますが、前後的不調和の主治療装置ではありません。
b.チンキャップ
誤り。
チンキャップは下顎の成長方向を調整する目的で用いられますが、上顎劣成長を直接改善しません。
c.アクチバトール
誤り。
アクチバトールは主に下顎後退を伴う上顎前突などで下顎成長を利用します。
d.上顎顎外固定装置
誤り。
上顎顎外固定装置はヘッドギアとして上顎大臼歯の固定や上顎成長抑制に用い、上顎前方成長を促しません。
e.上顎前方牽引装置
正しい。
上顎前方牽引装置は成長期の上顎劣成長と骨格性反対咬合の改善に用います。
覚えるポイント
- 上顎劣成長には上顎前方牽引装置を考えます。
- 口唇口蓋裂術後では瘢痕による上顎成長抑制に注意します。
- 側方不足があれば拡大装置を併用することがあります。