119D050第119回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科矯正学

25 歳の女性。口元の突出を主訴として来院した。Arch length discrepancy は上 顎-7.0 mm、下顎-5.0 mm であった。検査の結果、外科的矯正治療を行うことと した。6 は保存不可能なため抜去し、そのスペースは歯科矯正用アンカースク リューを固定として閉鎖することとした。初診時の顔面写真(別冊No. 11A)、口腔 内写真(別冊No. 11B)、及びエックス線画像(別冊No. 11C)を別に示す。セファロ 分析の結果を図に示す。 抜歯部位と手術方法の組合せで正しいのはどれか。1 つ選べ。 抜歯部位 手術方法

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正解: e

正答

e

この問題のポイント

上下顎に歯列不正と口元の突出があり、外科的矯正治療を行う症例では、必要な抜歯による術前矯正と、Le FortⅠ型骨切り術および下顎枝矢状分割術による上下顎移動を組み合わせます。

解説

外科的矯正治療では、顔貌、骨格、歯軸傾斜、上下顎の咬合関係、アーチレングスディスクレパンシーを総合して、術前矯正と顎矯正手術を計画します。

上下顎にディスクレパンシーがあり口元の突出を改善するには、抜歯空隙を利用して歯列を配列・後退させる必要があります。また、上下顎骨の位置異常がある場合は、上顎のLe FortⅠ型骨切り術と下顎枝矢状分割術を併用して三次元的に顎位を改善します。

保存不可能な大臼歯の抜去空隙は、歯科矯正用アンカースクリューを固定源として閉鎖し、固定源の喪失を防ぎます。

画像の確認

実画像A・Bでは上下唇突出、上下顎前歯の唇側傾斜と両顎の叢生があり、Cでは保存不能とされた上顎右側第一大臼歯に大きな修復物がみられる。正答eの歯式は上顎左側第一小臼歯と下顎両側第一小臼歯の抜去を示し、上顎右側第一大臼歯の抜歯空隙と合わせて術前排列・前歯後退の空隙を確保する。骨格性の上下顎位置異常にはLe Fort I型骨切り術と下顎枝矢状分割術を併用する。

選択肢の確認

a.4 下顎枝矢状分割術
誤り。
下顎枝矢状分割術のみでは、上下顎双方の骨格的問題と歯列不正を十分に改善できません。

b.4 Le FortⅠ型骨切り術
誤り。
Le FortⅠ型骨切り術のみでは、下顎骨の位置異常を同時に修正できません。

c.4 上顎前歯部歯槽骨切り術 4 4
誤り。
上顎前歯部歯槽骨切り術は前歯部歯槽骨を部分的に移動する方法ですが、本症例の上下顎骨格に対する手術計画とは一致しません。

d.4 Le FortⅠ型骨切り術、下顎枝矢状分割術
誤り。
上下顎手術の組合せは含みますが、提示された抜歯部位の組合せが本症例の術前矯正計画と一致しません。

e.4 Le FortⅠ型骨切り術、下顎枝矢状分割術 4 4
正しい。
上下顎の必要部位を抜歯して術前矯正を行い、Le FortⅠ型骨切り術と下顎枝矢状分割術を併用する組合せが適切です。

覚えるポイント

  • 外科的矯正では術前矯正と顎矯正手術を一体で計画します。
  • 上下顎骨の位置異常には二顎手術を選択することがあります。
  • アンカースクリューは大臼歯空隙閉鎖の固定源として利用できます。

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