31AM040|第31回 歯科衛生士国家試験 過去問
14歳の女子。上顎左側中切歯の歯冠破折を主訴として来院した。30分前に転倒したという。自発痛はないが、冷水痛を認めた。歯髄保存療法を行うことになった。初診時の口腔内写真(別冊午前 No.6)を別に示す。 この治療で貼付するのはどれか。2つ選べ。

2つ選択
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正解: a・b
正答
a:MTAセメント、b:水酸化カルシウム製剤
この問題のポイント
画像では外傷性歯冠破折面に小さな露髄点を認めます。受傷30分、自発痛なし、冷水反応ありという生活歯髄を保存する直接覆髄材料を選びます。
解説
新鮮な外傷性露髄で歯髄の生活反応が保たれ、汚染が限定的なら、露髄面を消毒・止血して生体親和性材料で封鎖し、歯髄の治癒と硬組織形成を促します。MTAは高い封鎖性と生体親和性をもち、アルカリ性環境下で象牙質様硬組織形成を誘導します。水酸化カルシウムも強アルカリ性により表層壊死層と修復象牙質形成を促す伝統的な直接覆髄材です。若年者の前歯では歯髄保存が根の成熟や長期予後に重要です。
選択肢の確認
- a MTAセメント:露髄面を良好に封鎖し、歯髄治癒と硬組織形成を促すため直接覆髄に適します。
- b 水酸化カルシウム製剤:高pHによる抗菌性とデンティンブリッジ形成を期待して貼付できるため正しいです。
- c 酸化亜鉛ユージノールセメント:鎮静作用はありますが、ユージノールの歯髄刺激やレジン重合阻害があり、露髄面へ直接置く材料ではありません。
- d HY剤配合カルボキシレートセメント:深在性う蝕で残存象牙質を介する間接覆髄などに用いられ、直接露髄面の第一選択ではありません。
覚えるポイント
新鮮外傷性露髄+生活反応あり→直接覆髄または部分断髄を検討し、MTA・水酸化カルシウムで歯髄を保護します。