31AM042|第31回 歯科衛生士国家試験 過去問
58歳の男性。上顎左側第二小臼歯の違和感を主訴として来院した。慢性化膿性根尖性歯周炎と診断され、感染根管治療を行うことになった。クラウンと支台築造体除去後の口腔内写真(別冊午前 No.8A)とある処置後の口腔内写真(別冊午前 No.8B)を別に示す。 矢印で示す部分の目的はどれか。2つ選べ。

2つ選択
解答・解説を見る
正解: c・d
正答
c:封鎖性の確保、d:術野の汚染防止
この問題のポイント
写真Bの矢印は、歯冠部歯質が大きく失われた歯の周囲に設けた白い隔壁です。感染根管治療で隔壁をつくる目的を考えます。
解説
写真Aではクラウンと支台築造体の除去後、残存歯質が低く根管口が大きく開いています。このままではラバーダムが密着せず、唾液が根管へ侵入しやすいため、写真Bではコンポジットレジンなどで歯冠周囲に隔壁を築いています。隔壁はラバーダムと歯との間の漏洩を抑え、洗浄液・仮封材を保持できる形態をつくり、根管系を口腔細菌や唾液から隔離します。感染制御と治療期間中の仮封の確実性が主目的です。
選択肢の確認
- a 咬合の保持:根管治療中はむしろ咬合負担を軽減することがあり、隔壁で咬合関係を保持するのが目的ではありません。
- b 審美性の回復:白色材料でも、最終的な歯冠形態・色調を回復する補綴処置ではありません。
- c 封鎖性の確保:ラバーダムや仮封材が適合する連続した壁をつくり、漏洩を防ぐため正しいです。
- d 術野の汚染防止:唾液・口腔細菌の根管内侵入を防ぎ、無菌的操作を助けるため正しいです。
覚えるポイント
歯冠崩壊が大きい感染根管治療では、隔壁形成→確実なラバーダム防湿→唾液遮断と封鎖を行います。