32PM034|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問
70 歳の男性。 舌の異常を主訴として来院した。6ヶ月前から気づいていたが放置していたところ、1 か月前から違和感を自覚するようになったという。 確定診断のために局所麻酔下で処置を行った。初診時の口腔内写真(別冊午後No.4 A) と処置後に行った操作の写真(別冊午後No.4 B) を別に示す。 矢印で示す容器に入っているのはどれか。1 つ選べ。

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正解: d
正答
d:ホルマリン液
この問題のポイント
写真Aには舌側縁の白色病変、写真Bには切除した生検組織を液入り容器へ移す操作が写る。病理組織検査用検体は直ちにホルマリンで固定する。
解説
確定診断のため局所麻酔下で病変の一部または全体を採取する生検を行った場面である。採取組織を自己融解や腐敗から守り、生体内に近い形態を保って薄切・染色できるよう、通常は10%中性緩衝ホルマリン液に十分浸漬する。容器には患者情報、採取部位、日時を表示し、病理依頼書の記載と照合する。滅菌水やブドウ糖液には固定作用がなく、エタノールは細胞診標本の湿固定などには用いるが、一般的な生検組織の保存液ではない。
選択肢の確認
- a 滅菌水:微生物が少ない水でも組織蛋白を固定できず、浸透圧差による細胞変化や自己融解を防げない。
- b エタノール:擦過細胞診の塗抹標本固定には利用されるが、写真のような組織片を病理組織検査へ送る標準固定液とは異なる。
- c ブドウ糖液:輸液や低血糖時の補給に使う溶液であり、切除組織の形態保存や腐敗防止作用を目的としない。
- d ホルマリン液:蛋白を架橋して組織構築を保つため、生検で採取した舌病変を病理診断へ提出する容器に入れる。
覚えるポイント
生検組織は10%中性緩衝ホルマリン、細胞診の塗抹標本はアルコール固定が代表的。固定前に検体の部位と患者識別を必ず照合する。