35AM052|第35回 歯科衛生士国家試験 過去問
50歳の女性。下顎左側の奥歯の痛みを主訴として来院した。診察の結果、下顎左側の水平半埋伏智歯周囲に歯肉の腫脹が認められた。炎症消退後に局所麻酔下で抜歯を行うことになった。エアタービンを用いて智歯の歯冠と歯根の分割を行ったところ、患者が左側頬部に腫れを訴えた。手術を中断し、患者の左側頬部を触ると捻髪音が認められたため、CT撮影を行った。その画像を別に示す。 疑われるのはどれか。1つ選べ。

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正解: a
正答
a:気腫
この問題のポイント
エアタービン使用中に頬部が急に腫れ、触診で捻髪音がするという所見から皮下気腫を判断します。
解説
エアタービンの圧縮空気が抜歯創や骨膜下などの組織間隙へ入り込むと、皮下気腫を生じます。急速な腫脹と、触れると雪を握るような捻髪音・握雪感が特徴で、CTでは軟組織内に気体像がみられます。気体が頸部や縦隔へ拡大すると呼吸・循環への影響が起こり得るため、処置を中止し、気道、呼吸、バイタルサイン、進展範囲を評価します。感染を合併する可能性も考慮し、患者へ強く鼻をかむなど圧を高める行為を避けるよう説明して経過観察します。
選択肢の確認
- a 気腫:圧縮空気の侵入と捻髪音が一致するため正しいです。
- b 血腫:血液貯留による腫脹・皮下出血で、通常は捻髪音を認めません。
- c 膿瘍:感染による膿の貯留で、発赤・熱感・波動などが主体です。
- d 浮腫:組織液の貯留で、圧痕を示すことはありますが握雪感は典型的でありません。
覚えるポイント
歯科処置中の突然の腫脹+捻髪音=皮下気腫です。頸部・縦隔への進展と気道を必ず評価します。