33AM058|第33回 歯科衛生士国家試験 過去問
3歳の男児。上顎左側中切歯の変色を主訴として保護者と来院した。歯髄壊死と診断され、感染根管治療が行われることになった。初診時の口腔内写真を別に示す。使用される薬剤はどれか。1つ選べ。

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正解: b
正答
b:水酸化カルシウム
この問題のポイント
3歳の乳切歯の感染根管治療では、根尖周囲の永久歯胚と乳歯根の生理的吸収に配慮し、強い組織固定性・刺激性のある薬剤を避けて抗菌性と生体親和性をもつ薬剤を選びます。
解説
水酸化カルシウムは水と接触すると水酸化物イオンを放出し、高いpHによる抗菌作用を示します。組織刺激性が比較的少なく、根管内貼薬や乳歯根管充填材の成分として使われます。乳歯では根尖孔が広い場合や根吸収があり、薬剤が根尖外へ押し出されると後継永久歯胚に影響するおそれがあるため、過剰な根管拡大や薬剤の漏出を防ぎます。歯髄壊死の原因と保存可否、永久歯胚との関係をエックス線で確認します。
選択肢の確認
- a クロロホルム:ガッタパーチャを軟化・溶解する有機溶剤として再根管治療などで用いられ、乳歯感染根管の貼薬に選ぶ抗菌薬ではありません。
- b 水酸化カルシウム:高pHで抗菌性を示し、生体親和性に配慮できるため、乳歯の感染根管治療に用いられます。
- c フェノールスルホン酸:強い化学的腐蝕・殺菌作用をもつ刺激性薬剤で、後継永久歯胚に近い乳歯根管に第一選択として用いません。
- d パラホルムアルデヒド:組織固定・失活作用が強く、根尖外漏出による組織障害の懸念があるため、本例で選ぶ薬剤ではありません。
覚えるポイント
乳歯根管治療は「後継永久歯胚を守る」「根吸収に対応できる」が大前提です。水酸化カルシウムは高pHの抗菌性と生体親和性を利用し、過剰充填を避けて用います。