31PM056|第31回 歯科衛生士国家試験 過去問
9歳の男児。直前に転倒し上顎中切歯が脱落したと保護者から電話があった。すぐに脱落した歯を持って来院してもらうよう歯科医師から指示を受けた。脱落した歯の取扱いについて、保護者への説明で正しいのはどれか。2つ選べ。
2つ選択
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正解: c・d
正答
c:冷たい牛乳に浸けて持参してください。、d:歯の根の部分には触らないでください。
この問題のポイント
脱落永久歯の予後は、歯根表面に残る歯根膜細胞を乾燥・損傷から守り、できるだけ早く再植できるかで左右されます。
解説
脱落歯は歯冠部を持ち、歯根表面をこすったり乾燥させたりせず搬送します。直ちに再植できない場合、冷たい牛乳は生理的範囲に近い浸透圧と栄養を備え、歯根膜細胞の生存を一定時間保つ保存液になります。専用の歯牙保存液があればさらに適しています。水道水は低浸透圧で細胞障害を起こしやすく、アルコールは蛋白変性・殺菌作用で生きた歯根膜細胞を損ないます。受傷から再植までの乾燥時間を短くします。
選択肢の確認
- a 水道水で洗ってください。:長く洗浄・浸漬すると低浸透圧や塩素で歯根膜細胞を傷めます。汚れていても強くこすってはいけません。
- b アルコールで消毒してください。:消毒作用が歯根膜細胞も死滅させ、再植後の歯周組織治癒を悪化させます。
- c 冷たい牛乳に浸けて持参してください。:乾燥を防ぎ、歯根膜細胞を比較的良好に保存できる現実的な搬送法です。
- d 歯の根の部分には触らないでください。:根面に付着する歯根膜を機械的に剝がさないよう、歯冠だけを持ちます。
覚えるポイント
脱落永久歯は歯冠を持つ・根面を触らない・乾燥させない・牛乳または保存液・迅速に受診が原則です。