31AM049|第31回 歯科衛生士国家試験 過去問
35歳の女性。下顎右側の疼痛を主訴として来院した。1週前から大臼歯部の疼痛を自覚していたが、昨夜は疼痛が増強して眠れず、現在まで38.5°Cの発熱があるという。検査を行っている写真(別冊午前 No.16)を別に示す。 この検査で把握できるのはどれか。1つ選べ。

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正解: d
正答
d:多数歯の打診痛〈弓倉症状〉
この問題のポイント
写真は器具の柄で歯を軽く叩く打診検査です。高熱と増悪する下顎痛から、急性下顎骨骨髄炎でみられる打診所見を選びます。
解説
急性化膿性骨髄炎では炎症が原因歯周囲の骨髄腔へ広がり、骨膜・歯根膜の圧が高まるため、原因歯だけでなく隣接する複数歯に著しい打診痛が現れることがあります。これを弓倉症状といい、写真の垂直打診で把握できます。症例の38.5℃の発熱、夜間眠れない持続痛、1週間の増悪経過も急性炎症の広がりを支持します。感覚麻痺や骨の形態変化は別の診査法で評価します。
選択肢の確認
- a 骨瘻孔:皮膚・粘膜の瘻孔は視診・触診や瘻孔からの造影などで確認し、歯の打診だけでは把握できません。
- b 腐骨分離:慢性期の壊死骨の分離はエックス線・CTや手術所見で評価するもので、打診所見ではありません。
- c 下歯槽神経の知覚鈍麻:下唇・オトガイの触覚・痛覚などの知覚検査で確認するVincent症状です。
- d 多数歯の打診痛〈弓倉症状〉:複数歯を順に打診して疼痛範囲を確かめるため、写真の検査で把握できます。
覚えるポイント
下顎骨骨髄炎では弓倉症状=多数歯の打診痛、Vincent症状=下唇・オトガイの知覚鈍麻を区別します。