31AM050|第31回 歯科衛生士国家試験 過去問
10歳の女児。口唇の異常を主訴として来院した。3日前に気付いたが痛みはないという。初診時の口腔内写真(別冊午前 No.17)を別に示す。 下線部分で適切なのはどれか。2つ選べ。

2つ選択
解答・解説を見る
正解: a・b
正答
a:①、b:②
この問題のポイント
写真は10歳児の下唇内面にある、境界明瞭でドーム状の無痛性隆起です。粘液嚢胞に合う部位・形態と、合わない多発性・潰瘍を見分けます。
解説
粘液嚢胞は、外傷などで小唾液腺導管が損傷し、漏出した粘液が周囲組織に貯留して生じることが多い病変です。咬傷を受けやすく小唾液腺の多い下唇粘膜が好発部位で、写真のように表面平滑なドーム状の隆起を示します。浅い病変では透明感のある青紫色を呈することがあります。通常は単発で、被覆粘膜は保たれているため、周囲の潰瘍は基本所見ではありません。再発例では原因腺を含む摘出を検討します。
選択肢の確認
- a ①〈下唇の粘膜〉:粘液嚢胞の最も代表的な発生部位で、写真の解剖的位置にも一致します。
- b ②〈ドーム状の隆起性病変〉:粘液の局所貯留により半球状・波動性の腫瘤となるため、適切な表現です。
- c ③〈多発性を示す〉:一般的な下唇粘液嚢胞は単発であり、写真にも一つの主病変がみられるため不適切です。
- d ④〈周囲は潰瘍〉:写真の周囲粘膜は連続しており、潰瘍性欠損は認めません。潰瘍は咬傷などが加わった二次所見です。
覚えるポイント
粘液嚢胞は小児・若年者、下唇、無痛性、単発、平滑なドーム状、青紫〜粘膜色を基本像として覚えます。