31PM051|第31回 歯科衛生士国家試験 過去問
31歳の男性。下顎左側の疼痛と腫脹を主訴として来院した。1週前から下顎左側小臼歯部の咬合痛、4日前から同部の自発痛を認め、昨日から疼痛の増悪と腫脹が生じたという。顎下部膿瘍と診断され、消炎処置を行った。処置中の写真(別冊午後 No.18)を別に示す。 矢印で示す器材の目的はどれか。1つ選べ。

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正解: d
正答
d:排膿路の確保
この問題のポイント
写真の矢印は切開創から外へ出した白色のドレーンです。膿瘍腔が早期に閉鎖せず、膿・浸出液を継続して排出できるようにします。
解説
顎下部膿瘍では切開して貯留膿を排出し、感染腔を洗浄した後、ペンローズドレーンなどを創内へ留置します。画像ではドレーンが切開部から突出し、縫合糸などで脱落しないよう保持されています。切開創は放置すると表層から閉鎖して深部に膿が再貯留するため、ドレーンが排膿路を保ち、浸出液の流出と感染巣の減圧を続けます。排液量、色、臭気、周囲発赤を観察し、炎症の改善に応じて抜去します。
選択肢の確認
- a 止血:圧迫、結紮、電気凝固などで行う処置であり、ドレーンは出血を止めるための器材ではありません。
- b 鎮痛:排膿による圧の低下で痛みが軽くなることはありますが、器材の直接目的は鎮痛薬のような疼痛抑制ではありません。
- c 細菌培養検査:培養検体は切開時の膿を滅菌綿棒や注射器で採取し、留置ドレーン自体を検査目的にはしません。
- d 排膿路の確保:創の早期閉鎖を防ぎ、膿・浸出液を体外へ導く経路を維持するため正答です。
覚えるポイント
膿瘍処置のドレーンは排出路の維持・再貯留防止・減圧が目的です。止血材や検体採取器具と区別します。