31PM090|第31回 歯科衛生士国家試験 過去問
73歳の男性。1年前に脳卒中を発症したという。退院後、食事がうまくいかないということで特殊な調整を行った上顎の義歯を製作した。義歯の写真(別冊午後 No.42A)と、入居している施設で提供可能な食事の写真(別冊午後 No.42B)を別に示す。 適切な食形態はどれか。1つ選べ。

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正解: c
正答
c:③
この問題のポイント
写真Aの上顎義歯は口蓋部を厚くした舌接触補助床です。舌と口蓋の接触を助けますが、食塊形成・移送に配慮した均一でまとまりやすい食形態が必要です。
解説
脳卒中後は舌運動や口腔内感覚が低下し、食物をまとめて咽頭へ送ることが難しくなります。舌接触補助床〈PAP〉は口蓋を舌へ近づけ、舌圧を有効にして構音・食塊移送を補助します。選択肢③は食材を均一に軟らかくつぶしてまとまりをもたせた形態で、少ない咀嚼力でも食塊化しやすく、口腔内で散らばりにくい食事です。大きな固形物、ばらける刻み食、粘度の低い液体は残留や誤嚥へ注意が要ります。
選択肢の確認
- a ①:肉・野菜が大きな塊で残る常食に近く、十分な咀嚼と舌による集塊が必要なので適しません。
- b ②:細かく刻んでも粒がばらばらになりやすく、舌運動低下例では口腔内残留や咽頭へのばらつきが起こります。
- c ③:軟らかくつぶされ、均質でまとまりやすい形態のため、PAPを用いる本例の口腔移送に適します。
- d ④:さらさらした液体は咽頭へ速く流れ、嚥下反射が遅れる場合に誤嚥しやすくなります。
覚えるポイント
嚥下調整食は軟らかい・均一・まとまりやすい・適度な粘度が基本です。刻むだけではばらつき、薄い液体は流速が速くなります。