32AM010|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問
歯科用局所麻酔薬に添加するアドレナリンの薬理作用はどれか。1つ選べ。
解答・解説を見る
正解: c
正答
c:血管収縮
この問題のポイント
歯科用局所麻酔薬へ添加するアドレナリンの目的を、α₁受容体を介する局所血管作用から説明します。
解説
アドレナリンは血管平滑筋のα₁受容体を刺激し、注射部位の血管を収縮させます。局所血流が減ると麻酔薬が循環血中へ移行する速度が遅くなり、作用時間の延長、麻酔効果の増強、全身毒性リスクの低減が期待できます。手術部位の出血を抑えやすくなることも利点です。一方、血管内へ急速に入るとβ₁作用による動悸や頻脈などが起こり得るため、注入前の吸引確認と緩徐な注射が重要です。アドレナリンは鎮静薬や筋弛緩薬ではなく、代謝面ではグリコーゲン分解などを促して血糖を上げる方向に働きます。
選択肢の確認
- a 鎮静:交感神経作動薬であり、中枢を鎮静させる目的では添加しません。
- b 筋弛緩:神経筋接合部遮断薬のような筋弛緩作用を目的とする薬ではありません。
- c 血管収縮:α₁受容体刺激で局所血管を収縮させ、麻酔薬の吸収を遅らせるため正答です。
- d 血糖値降下:グリコーゲン分解や糖新生を促し、むしろ血糖値を上昇させる方向に働きます。
覚えるポイント
局所麻酔薬へのアドレナリン添加は血管収縮→吸収遅延→作用延長・止血・全身毒性低減が狙いです。循環器疾患や薬物相互作用にも配慮します。