32AM015|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問
血管障害、出血および止血・血液凝固の過程を下記に示す。 血管壁の障害 ↓ 出血 ↓ 血管の収縮 ↓ 血小板の粘着・凝集 ↓ 「① 凝固因子」の活性化 ↓ 不可逆的な血栓形成 「① 凝固因子」の異常を示すのはどれか。1つ選べ

解答・解説を見る
正解: b
正答
b:血友病
この問題のポイント
図の①は、血小板血栓ができた後に凝固因子が連鎖的に活性化し、フィブリンで血栓を強固にする二次止血を示す。凝固因子欠乏を本態とする血友病が対応する。
解説
血管が損傷すると、まず血管収縮が起こり、血小板が露出したコラーゲンへ粘着・凝集して一次止血栓を作る。続いて凝固カスケードによりトロンビンが生じ、フィブリノゲンがフィブリンへ変換されて血小板血栓を補強する。血友病Aは第VIII因子、血友病Bは第IX因子の先天的欠乏によるため、図の凝固因子活性化の段階が障害される。深部出血や関節内出血を起こしやすく、検査では一般にAPTT延長を示す。一方、血管壁の脆弱化、骨髄での血球産生低下、血小板破壊の亢進は、止血過程の別の位置に障害を生じる。
選択肢の確認
- a 壊血病:ビタミンC欠乏でコラーゲン形成が障害され、毛細血管壁が脆弱になる疾患なので、凝固因子の先天的異常ではない。
- b 血友病:第VIII因子または第IX因子が不足し、フィブリン形成へ至る二次止血が進みにくくなるため①の異常に合致する。
- c 再生不良性貧血:骨髄の造血機能低下により赤血球・白血球・血小板がすべて減少し、単独の凝固因子欠乏とは病態が異なる。
- d 特発性血小板減少性紫斑病:免疫機序による血小板減少が主体で、血小板の粘着・凝集による一次止血が障害される。
覚えるポイント
一次止血は血小板、二次止血は凝固因子とフィブリンである。血小板異常では点状出血・粘膜出血、凝固因子異常では関節内などの深部出血が目立つという違いも押さえる。