第32回

32AM021|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問

2つ選択

歯頸部に付着したプラークの模式図を示す。 ①と比べて②で多い細菌の特徴はどれか。2 つ選べ。

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正解b・d

正答

b:内毒素を含む。、d:タンパク分解酵素を産生する。

この問題のポイント

模式図の①は歯肉縁上プラーク、②は歯肉縁下プラークである。②では酸素分圧が低く、歯肉溝滲出液由来のタンパク質を利用するグラム陰性嫌気性菌が増える。

解説

歯肉縁上では、唾液中の糖質を発酵して酸を作る通性嫌気性菌やグラム陽性菌が比較的多い。歯肉溝内へ進むと酸素が乏しくなり、栄養源も糖質中心から滲出液・組織由来のペプチドやアミノ酸へ変化する。そのため、P. gingivalisなどの偏性嫌気性グラム陰性菌、運動性桿菌、スピロヘータが増加する。グラム陰性菌の外膜にはリポ多糖〈LPS〉があり、そのlipid A部分が内毒素活性を示す。また、ジンジパインなどのプロテアーゼは宿主組織や免疫関連タンパク質を分解し、歯周組織破壊に関与する。

選択肢の確認

  • a 好気性である。:②は歯肉縁下で酸素が届きにくく、ポケット深部ほど偏性嫌気性菌が優勢になるため、好気性は特徴にならない。
  • b 内毒素を含む。:歯肉縁下で増えるグラム陰性菌は外膜にLPSをもち、マクロファージなどを刺激して炎症性サイトカイン産生を促す。
  • c 糖発酵性をもつ。:糖を発酵して酸を産生する性質は、糖質を得やすい①の歯肉縁上プラークの細菌でより目立つ。
  • d タンパク分解酵素を産生する。:滲出液や組織由来タンパク質を利用する歯周病原細菌はプロテアーゼを産生し、②で多くなる。

覚えるポイント

縁上は「糖発酵・酸産生」、縁下は「嫌気性・グラム陰性・LPS・タンパク分解」と対比する。歯肉縁を境に、酸素と栄養源の環境が変わることが細菌叢の違いを生む。

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