32AM039|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問
歯の損耗〈tooth wear〉と関わる因子の組合せで正しいのはどれか。 2つ選べ。
2つ選択
解答・解説を見る
正解: b・d
正答
b:酸蝕症ー一ー習慣性嘔吐、d:くさび状欠損ーーーアブフラクション
この問題のポイント
tooth wearは細菌性う蝕以外の歯質損耗で、咬耗、摩耗、酸蝕、アブフラクションを原因別に区別する。胃酸曝露は酸蝕、歯頸部への応力集中はくさび状欠損に関係する。
解説
咬耗〈attrition〉は歯と歯の接触で咬合面・切縁がすり減る現象で、ブラキシズムなどで進行する。摩耗〈abrasion〉は歯ブラシ、研磨剤、習癖など外来性の機械的作用による。酸蝕〈erosion〉は細菌を介さない酸による化学的溶解で、習慣性嘔吐や胃食道逆流では口蓋側を中心に胃酸の影響が現れる。アブフラクションは咬合力による歯のたわみと歯頸部への応力集中で微小破壊が生じる考え方で、くさび状欠損の成因の一つとされる。実際の病変は複数因子が重なることも多い。
選択肢の確認
- a 咬耗症ーーー過度のブラッシング:ブラッシングによる外来性機械刺激は摩耗であり、上下歯の接触による咬耗とは原因が異なる。
- b 酸蝕症ー一ー習慣性嘔吐:反復する嘔吐で胃酸が歯面を化学的に溶かすため、内因性酸による酸蝕の正しい組合せである。
- c 摩耗症ーーー唾液分泌の低下:唾液低下は酸緩衝・再石灰化能を弱めるが、摩耗の直接因子である機械的擦過を表していない。
- d くさび状欠損ーーーアブフラクション:歯頸部へ集中した引張・圧縮応力による微小破壊がV字状欠損へ関与する組合せである。
覚えるポイント
咬耗=歯対歯、摩耗=外来性のこすれ、酸蝕=酸、アブフラクション=応力集中。病変部位と問診から原因を複合的に評価する。