32AM069|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問
55歳の女性。上顎右側前歯部の歯肉の腫脹を主訴として来院した。 慢性歯周炎と診断された。初診時の口腔内写真(別冊午前No.27)を別に示す。 観察できるのはどれか。2つ選べ。

2つ選択
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正解: a・c
正答
a:クレフト、c:ブラックトライアングル
この問題のポイント
写真では小臼歯部の歯肉辺縁にV字状の裂け目があり、Stillmanのクレフトに一致する。また歯間乳頭が退縮し、歯間部に黒い三角形の空隙が見える。
解説
クレフトは歯肉辺縁から根尖方向へ伸びる狭いV字状または線状の裂溝で、外傷性ブラッシングや咬合などとの関連が考えられる。写真上顎右側小臼歯部には、歯頸部から根尖側へ切れ込む形が確認できる。ブラックトライアングルは歯間乳頭が歯間空隙を満たさなくなり、口腔内の暗部が三角形に透けて見える状態で、写真の前歯・小臼歯間にみられる。どちらも歯肉形態の視診で同定できる所見である。
選択肢の確認
- a クレフト:歯肉辺縁から根尖側へ入るV字状の裂け目が写真で明瞭で、Stillmanのクレフトの形態を示す。
- b フェストゥーン:歯肉辺縁がロープ状に厚く盛り上がるMcCallのフェストゥーンであり、写真の切れ込みとは逆の隆起性変化である。
- c ブラックトライアングル:乳頭退縮で接触点下に生じた暗い三角形の歯間空隙が、写真の複数部位で観察できる。
- d エナメルプロジェクション:セメントエナメル境から根分岐部方向へエナメル質が伸びる解剖学的形態で、通常の口腔内正面写真だけでは確認できない。
覚えるポイント
クレフトは歯肉のV字状切れ込み、フェストゥーンは辺縁のロープ状肥厚、ブラックトライアングルは乳頭喪失による暗い歯間空隙である。