32AM086|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問
88歳の男性。食後に自身で歯磨きをしており、舌背に触ると痛みがあるという。 介護保険施設から口腔衛生管理の依頼を受けた。歯科医師から、歯科保健指導を指示された。舌の写真(別冊午前No.33)を別に示す。 舌清掃に適しているのはどれか。2つ選べ。

2つ選択
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正解: b・d
正答
b:粘膜ブラシ、d:スポンジブラシ
この問題のポイント
写真では舌背に厚い白色舌苔が広がり、本人は接触痛を訴えている。硬い毛や強い水圧を避け、軟らかく刺激の少ない粘膜ブラシまたはスポンジブラシを用いる。
解説
高齢者の厚い舌苔は、口腔乾燥、摂食量低下、自浄作用低下などで増える。清掃前に保湿して付着物を軟化させ、舌後方から前方へ弱い力で少しずつ除去する。痛みがあるため、一度ですべて取ろうとせず粘膜の発赤・出血・潰瘍を観察する。粘膜ブラシは密で軟らかな毛が粘膜面へ適合し、スポンジブラシは湿潤と拭き取りを同時に行える。使用後のスポンジ脱落や再使用にも注意する。
選択肢の確認
- a 歯ブラシ:歯面清掃用の比較的硬い毛先は疼痛のある舌粘膜を傷付けやすく、本例の第一選択にはしない。
- b 粘膜ブラシ:軟らかな多数の毛が広い面へ接触し、痛みを抑えながら舌苔を掻き取る目的に適する。
- c 水流式清掃用具:高圧水流は歯間や装置周囲には用いられるが、舌苔の確実な拭き取りにならず疼痛粘膜へ刺激が強い。
- d スポンジブラシ:水分や保湿剤を含ませて舌苔を軟化・清拭でき、力を調節しやすいため脆弱な粘膜に適する。
覚えるポイント
痛みのある舌は保湿→軟化→軟らかい器具で軽く前方へ清掃する。舌苔除去後も乾燥、薬剤、感染など付着増加の原因を評価する。