32PM039|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問
48歳の男性。上顎左側側切歯の色が気になることを主訴として来院した。 1 年前に子供の頭がぶつかったが、痛みが引いたのでそのまま放置していたところ、最近になって変色してきたという。 初診時の口腔内写真(別冊午後No.8) を別に示す。 変色の理由で考えられるのはどれか。1 つ選べ。

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正解: b
正答
b:歯髄壊死
この問題のポイント
写真では外傷を受けた上顎左側側切歯だけが灰褐色に変色している。受傷後しばらくして単独歯が暗くなる経過は、歯髄壊死による内因性変色を示す。
解説
外傷で歯髄血管が断裂すると、歯髄内出血後の血液成分が象牙細管へ浸透し、さらに血流途絶によって歯髄壊死へ進む。ヘモグロビン分解産物などが歯冠を灰色から褐色に見せる。痛みが消えたことは治癒を意味せず、歯髄壊死で感覚が失われた可能性があるため、歯髄診、打診、エックス線検査を組み合わせる。加齢や薬剤性着色なら複数歯に比較的対称に現れ、食品色素は主に表面性で清掃の影響を受ける。
選択肢の確認
- a 加齢変化:第二象牙質の添加や歯質の変化で歯列全体が徐々に黄味を増す現象で、外傷歯一歯だけの急な灰褐色化を説明しにくい。
- b 歯髄壊死:外傷後の血管損傷と壊死に伴う色素が象牙細管へ入り、写真のような単独歯の暗色変化を起こす。
- c 抗菌薬の服用:テトラサイクリン歯などは歯の形成期の全身投与で複数歯に帯状・びまん性の内因性着色を生じる。
- d 食品に含まれる色素:茶、コーヒーなどによる外因性着色は歯面付着物として複数部位に現れ、外傷既往との時間的関連がない。
覚えるポイント
外傷後に痛みが消えて一歯だけ灰色化したら歯髄壊死を疑う。色だけで確定せず、歯髄生活反応と根尖部画像を確認する。