32PM059|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問
71歳の男性。脳梗塞後の後遺症があるという。麻痺症状がみられる写真(別冊午後No.25)を別に示す。 この症状を起こすのはどれか。1 つ選べ。

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正解: a
正答
a:顔面神経
この問題のポイント
写真では片側の鼻唇溝が浅く、口角が下垂して閉口・口唇運動が非対称となっている。脳梗塞後の中枢性顔面神経麻痺による表情筋麻痺である。
解説
顔面神経は表情筋を運動支配し、口唇閉鎖、頰の緊張、口角挙上に関与する。脳梗塞による皮質延髄路障害では、病変と反対側の下顔面に麻痺が現れやすく、鼻唇溝消失、口角下垂、食物の頰部残留、流涎を生じる。上顔面は両側性の中枢支配を受けるため、末梢性顔面神経麻痺に比べ額のしわ寄せが保たれやすい。写真の口周囲の運動障害は、顔面知覚・舌運動・咽頭運動の障害とは区別する。
選択肢の確認
- a 顔面神経:口輪筋や頰筋など表情筋を支配し、その麻痺で口角下垂、鼻唇溝消失、口唇閉鎖不全が生じる。
- b 三叉神経:顔面の一般知覚と咀嚼筋運動を担い、障害では知覚低下や咀嚼力低下が中心で、表情筋麻痺を直接起こさない。
- c 舌下神経:舌筋を運動支配し、障害では舌突出時の偏位、構音・食塊送り込み障害が現れる。
- d 迷走神経:軟口蓋・咽頭・喉頭の運動に関与し、障害では嗄声、嚥下障害、口蓋垂偏位などを来す。
覚えるポイント
口角下垂・鼻唇溝消失は顔面神経、舌偏位は舌下神経、顔面知覚は三叉神経、嗄声・咽頭麻痺は迷走神経に対応する。