32PM066|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問
40歳の女性。地域の歯周疾患検診で歯科受診を勧められて来院した。 初診時の口腔内写真(別冊午後No.29)を別に示す。 矢印で示す付着物の主成分はどれか。1 つ選べ。

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正解: c
正答
c:リン酸カルシウム
この問題のポイント
写真の矢印は臼歯歯頸部に付着した歯石を示します。歯石は歯垢が唾液や歯肉溝滲出液由来の無機塩で石灰化したもので、無機成分の主体は各種リン酸カルシウム結晶です。
解説
歯石の無機質には、ハイドロキシアパタイト、マグネシウム・ホワイトロカイト、オクタカルシウムフォスフェート、ブルシャイトなどのリン酸カルシウム系結晶が含まれます。歯肉縁上歯石は唾液由来のカルシウム・リン酸イオンの影響を受け、黄白色で唾液腺開口部付近に沈着しやすくなります。歯肉縁下歯石は歯肉溝滲出液由来で暗褐色になりやすいものの、主無機成分がリン酸カルシウムである点は共通です。歯石表面は粗造で新たなプラークを保持するため、炎症管理には器械的除去が必要です。
選択肢の確認
- a 硝酸カルシウム:水溶性のカルシウム塩であり、歯石の硬い結晶相を構成する主要無機成分ではありません。
- b 乳酸カルシウム:食品・医薬品にも使われる有機酸塩ですが、歯石の代表的な石灰化結晶には分類されません。
- c リン酸カルシウム:歯垢内へカルシウムとリン酸が析出し、複数のリン酸カルシウム結晶として歯石を形成します。
- d シュウ酸カルシウム:腎結石などでみられる難溶性塩で、口腔内歯石の主成分ではありません。
覚えるポイント
歯石そのものが歯周炎を直接起こすのではなく、粗造面が病原性プラークの停滞を支えます。歯石除去後も毎日のバイオフィルム管理が必要です。