32PM072|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問
う蝕リスクが高いのはどれか。1 つ選べ。
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正解: d
正答
d:Sjögren syndrome
この問題のポイント
Sjögren症候群では自己免疫性の唾液腺障害により唾液分泌が著しく減ります。自浄・緩衝・再石灰化作用が低下するため、多発性う蝕、とくに歯頸部・根面う蝕のリスクが上がります。
解説
唾液は食物残渣と糖を洗い流し、重炭酸によってプラーク酸を中和し、カルシウム・リン酸・フッ化物を供給して初期脱灰を再石灰化します。Sjögren症候群では唾液腺へのリンパ球浸潤と腺機能低下により口腔乾燥が起こり、この三つの防御が失われます。粘膜疼痛、嚥下・会話困難、カンジダ症も伴い得ます。予防では高濃度フッ化物の適切な利用、糖摂取頻度の管理、保湿・唾液分泌刺激、短い間隔での診査を組み合わせます。他の選択肢は疾患そのものが唾液腺機能を一貫して低下させるものではありません。
選択肢の確認
- a 狭心症:心筋虚血性疾患であり、疾患自体が唾液分泌を失わせて直接う蝕を多発させるわけではありません。
- b B型肝炎:肝炎ウイルス感染では感染対策が重要ですが、代表的な高う蝕リスク疾患として唾液腺を破壊しません。
- c 鉄欠乏性貧血:舌炎や口角炎を伴うことはありますが、著明な唾液減少を介するう蝕多発が中心所見ではありません。
- d Sjögren syndrome:唾液腺の自己免疫性障害による口腔乾燥が、酸中和・自浄・再石灰化を低下させます。
覚えるポイント
高う蝕リスクを考えるときは、疾患名だけでなく「唾液量・緩衝能・糖摂取・フッ化物・既往う蝕」の経路で評価します。Sjögren症候群は唾液減少の代表です。