32PM084|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問
頭頸部癌に対する放射線治療の早期にみられる有害事象はどれか。 2 つ選べ。
2つ選択
解答・解説を見る
正解: b・c
正答
b:嚥下痛、c:味覚障害
この問題のポイント
頭頸部放射線治療の早期には、更新の速い口腔・咽頭粘膜と味蕾が障害されます。粘膜炎に伴う嚥下痛と、味蕾・唾液の変化に伴う味覚障害が治療中から出現します。
解説
照射開始後しばらくすると、基底細胞の増殖障害により口腔粘膜炎、発赤、潰瘍が生じ、食物や唾液を飲み込むと痛むようになります。味蕾細胞も放射線感受性が高く、唾液分泌・組成変化も重なって味覚低下や異味を起こします。疼痛管理、粘膜を刺激しない清掃・保湿、食形態調整、感染管理が必要です。放射線う蝕は唾液腺障害が持続した後に進行し、顎骨骨髄炎・放射線性顎骨壊死は血管・骨細胞障害を背景に遅れて現れる代表的晩期障害です。
選択肢の確認
- a う蝕:唾液減少、緩衝能低下、口腔細菌叢変化が持続して発生するため、治療早期より晩期に問題となります。
- b 嚥下痛:急性口腔・咽頭粘膜炎と潰瘍によって、照射期間中から飲食時の痛みが現れます。
- c 味覚障害:味蕾細胞への直接障害と唾液変化により、治療開始後早期から味覚閾値上昇や異味が生じます。
- d 顎骨骨髄炎:低血管・低酸素・低細胞性となった照射骨の治癒不全を背景に、抜歯や感染後に遅れて起こります。
覚えるポイント
放射線の早期障害は粘膜炎・嚥下痛・味覚障害、晩期障害は口腔乾燥の持続、放射線う蝕、開口障害、顎骨壊死と整理します。