33PM095|第33回 歯科衛生士国家試験 過去問
口腔扁平上皮癌に対する放射線治療が終了し、治療後6か月以上経過した際に起こりうる口腔内の有害事象はどれか。2つ選べ。
2つ選択
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正解: b・d
正答
b:顎骨壊死、d:多発性う蝕
この問題のポイント
放射線治療後6か月以上という時期から、治療中から直後に出る急性反応ではなく晩期有害事象を選びます。顎骨への血流障害と唾液腺障害は長期間残ります。
解説
頭頸部への放射線照射では、顎骨の血管が障害され、低酸素・低血管・低細胞性の組織となって修復力が低下します。抜歯や義歯性外傷を契機に骨露出が治らず、放射線性顎骨壊死を生じることがあります。また唾液腺腺房の障害により唾液量・緩衝能・自浄作用が低下し、歯頸部や切縁を含む通常と異なる部位に急速な多発性う蝕、いわゆる放射線う蝕が起こります。一方、口腔粘膜炎やそれに伴う咽頭痛は分裂の速い粘膜細胞の障害による急性反応で、照射中から終了後早期に強く現れるのが典型です。
選択肢の確認
- a 咽頭痛:咽頭粘膜の急性炎症に伴って照射期間中から早期に現れやすく、6か月以降の代表的晩期障害ではありません。
- b 顎骨壊死:照射後の顎骨は血流と再生能が低下し、外傷や感染後に治癒しない骨露出・壊死を遅れて生じます。
- c 口腔粘膜炎:粘膜上皮の更新障害で治療開始後早期から起こり、一般に照射終了後は上皮再生とともに軽快します。
- d 多発性う蝕:持続する唾液分泌低下と口腔環境の酸性化により、照射後数か月以降も急速に多数歯へ発生します。
覚えるポイント
急性障害は粘膜炎・咽頭痛・味覚障害、晩期障害は口腔乾燥、放射線う蝕、開口障害、顎骨壊死です。照射前の感染源除去と照射後のフッ化物応用・保湿・外傷予防が重要です。