33PM096|第33回 歯科衛生士国家試験 過去問
17歳の男子。下顎右側犬歯と第一小臼歯間に食片がはさまることを主訴として来院した。第一小臼歯に送気による疼痛を認めた。検査の結果、第一小臼歯のう蝕と診断され、う蝕処置が行われることになった。う蝕検知液で染色後の口腔内写真を別に示す。矢印で示す部分を残置する処置を行う際に準備するのはどれか。1つ選べ。

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正解: d
正答
d:タンニン・フッ化物合剤配合ポリカルボキシレートセメント
この問題のポイント
図ではう蝕検知液で赤染した深部象牙質を矢印部に意図的に残しています。露髄を避けて歯髄を保存する間接覆髄・暫間的間接覆髄法で、残置象牙質を封鎖する材料を選びます。
解説
深在性う蝕で軟化象牙質を一度にすべて除去すると露髄が予想される場合、窩壁周囲は健全象牙質まで確実に除去しつつ、歯髄直上の感染象牙質を選択的に残すことがあります。写真の赤染部はその対象です。タンニン・フッ化物合剤を配合したポリカルボキシレートセメントは、残置象牙質を被覆・封鎖し、歯髄への刺激を抑えながら象牙質の硬化と再石灰化を促す目的で用いられます。一定期間後に症状と歯髄生活反応を確認して再開拡し、最終修復へ進みます。薬剤の用途を、根管処置や漂白と区別することが要点です。
選択肢の確認
- a EDTA:無機質をキレートする根管拡大補助・スメア層除去剤で、深部う蝕象牙質を封鎖する覆髄材ではありません。
- b 過酸化尿素:過酸化物を放出して歯を漂白する薬剤であり、残置う蝕象牙質の保護や歯髄保存には用いません。
- c 過ホウ酸ナトリウム:失活歯の髄腔内漂白などに使用する酸化剤で、生活歯の深在性う蝕を被覆する材料ではありません。
- d タンニン・フッ化物合剤配合ポリカルボキシレートセメント:歯髄直上に残した軟化象牙質を被覆・封鎖し、歯髄刺激を抑えて硬化を待つ処置に適します。
覚えるポイント
深在性う蝕は「辺縁は清掃して封鎖性を確保、歯髄直上は露髄回避のため選択的除去」が原則です。自発痛や不可逆性歯髄炎の所見がないことも歯髄保存の前提です。