32PM108|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問
75歳の男性。舌癌のため放射線治療を受けている。 口腔内に中等度の疼痛、潰瘍があり、口は開けづらいが経口摂取は可能である。 セルフケアの指導として適切なのはどれか。2 つ選べ。
2つ選択
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正解: a・b
正答
a:口腔清掃後の保湿剤の塗布、b:フッ化物配合歯磨剤の使用
この問題のポイント
放射線治療中は粘膜炎・潰瘍と唾液低下が同時に進みます。低刺激で清掃した後に保湿し、フッ化物で放射線う蝕を予防することが重要です。
解説
中等度疼痛と潰瘍があっても経口摂取可能なら、清掃を全面中止せず、軟らかく小さなヘッドの歯ブラシで残存歯と清掃可能な粘膜を愛護的に管理します。清掃後に口腔保湿剤を塗れば乾燥、摩擦痛、痂皮形成を軽減できます。唾液量・緩衝能が低下すると急速な多発性う蝕が生じるため、刺激に耐えられるフッ化物配合歯磨剤・ジェルを継続します。アルコール含有洗口剤は乾燥と疼痛を悪化させ、大きなブラシヘッドは開口制限下で奥まで届かず潰瘍を傷つけます。
選択肢の確認
- a 口腔清掃後の保湿剤の塗布:汚れを除いた後に保湿すると、乾燥した粘膜を保護し、摩擦・疼痛を軽減できます。
- b フッ化物配合歯磨剤の使用:唾液防御低下による放射線う蝕を防ぐため、患者が耐えられる低刺激製品でフッ化物を供給します。
- c アルコール入り含嗽剤の使用:アルコールは潰瘍面を刺激し、口腔乾燥と灼熱感を強めるため避けます。
- d ヘッドが大きい歯ブラシの使用:開口障害では操作しにくく粘膜へ接触しやすいため、小型ヘッド・軟毛を選びます。
覚えるポイント
放射線治療中のセルフケアは「低刺激清掃・保湿・フッ化物・疼痛に応じた用具調整」です。粘膜炎があっても可能な部位のプラーク管理は感染予防に必要です。