32PM093第32回 歯科衛生士国家試験 過去問

過去問題

35 歳の男性。上顎左側第二小臼歯の両隣接面にう蝕があり、メタルインレー修復を行うことになった。 印象採得時の写真(別冊午後No.39)を別に示す。 矢印で示す器具と併用するのはどれか。1 つ選べ。

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正解: a

正答

a:アドレナリン

この問題のポイント

矢印は形成歯周囲へ挿入した歯肉圧排糸です。印象でフィニッシュラインを明瞭に再現するため歯肉溝を開き、アドレナリンの血管収縮作用を併用して止血する場合があります。

解説

隣接面を含む間接修復の精密印象では、辺縁が歯肉縁付近にあると滲出液・出血や歯肉の被覆で印象材が入りません。圧排糸を愛護的に歯肉溝へ挿入し、機械的に歯肉を側方へ移動させます。アドレナリン含有圧排材はα受容体を介する血管収縮で止血と乾燥を補助します。ただし高血圧、虚血性心疾患、甲状腺機能亢進などでは全身作用に注意し、塩化アルミニウム等を選ぶことがあります。過酸化物、知覚過敏抑制剤、根管洗浄剤は圧排糸の止血目的とは異なります。

選択肢の確認

  • a アドレナリン:圧排糸へ含浸させると局所血管を収縮させ、歯肉溝からの出血・滲出を抑えて印象視野を確保します。
  • b 過酸化水素水:発泡・酸化作用をもつ洗浄薬ですが、圧排糸と組み合わせる代表的な収斂・止血薬ではありません。
  • c シュウ酸カリウム:象牙細管を封鎖して象牙質知覚過敏を軽減する薬剤で、歯肉圧排の目的には使いません。
  • d 次亜塩素酸ナトリウム:有機質溶解・抗菌作用を利用する根管洗浄薬で、歯肉溝内へ圧排糸と併用すれば組織障害を招きます。

覚えるポイント

精密印象の三条件は、辺縁の露出、止血、乾燥です。圧排糸は無理に深く押し込まず、歯周組織と患者の全身状態に応じて薬剤を選びます。

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