33AM052|第33回 歯科衛生士国家試験 過去問
8歳の男児。下唇の腫脹を主訴として来院した。2週前から症状を自覚し、次第に増大してきたという。特記すべき既往歴はない。粘液嚢胞と診断された。初診時の口腔内写真を別に示す。この疾患の特徴はどれか。1つ選べ。

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正解: a
正答
a:弾性軟である。
この問題のポイント
小児の下唇に生じた青みを帯びた半球状の無痛性腫脹は、小唾液腺から漏出した粘液が組織内に貯留する粘液嚢胞の所見です。内容が流動性なため触れると軟らかく感じます。
解説
下唇の粘液嚢胞は、唇を咬む習慣や外傷で小唾液腺の導管が損傷し、唾液性粘液が周囲結合組織に漏れ出して生じる漏出型が多いです。嚢胞様腔の内容は血液ではなく粘稠な唾液で、病変は波動を伴う弾性軟の触感を示します。表面が薄いと内容物が透けて青紫色に見え、自然に破れて縮小しても再発することがあります。治療では原因となった小唾液腺を含めた摘出などを検討します。
選択肢の確認
- a 弾性軟である。:結合組織内に流動性の粘液が貯留した病変なので、硬い実質性腫瘤ではなく弾性軟の触感を示します。
- b 強い接触痛がみられる。:通常は無痛性で、二次感染や反復性外傷がなければ強い圧痛・接触痛は主要所見ではありません。
- c 内部に血液が貯留している。:貯留するのは損傷した小唾液腺導管から漏出した粘液性唾液で、血腫とは病態が異なります。
- d Nikolsky〈ニコルスキー〉現象がみられる。:軽い擦過で上皮が剥離するNikolsky現象は天疱瘡などの上皮接着障害でみられ、粘液嚢胞の特徴ではありません。
覚えるポイント
下唇の粘液嚢胞は「外傷・咬唇→小唾液腺導管損傷→粘液漏出」で、青みを帯びた無痛性・弾性軟の腫脹です。口腔底で大きく生じる同様の病変はガマ腫と呼ばれます。