33PM039|第33回 歯科衛生士国家試験 過去問
66歳の男性。下顎前歯部の歯肉の腫脹を主訴として来院した。現在、糖尿病と高血圧症に対する治療薬を服用している。歯肉の腫脹は服用を始めてから顕著になったという。初診時の口腔内写真を別に示す。初診時の対応で考えられるのはどれか。2つ選べ。

2つ選択
解答・解説を見る
正解: c・d
正答
c:内科主治医への対診、d:プラークコントロール
この問題のポイント
降圧薬、とくにカルシウム拮抗薬は歯肉増殖を起こすことがあります。初診では薬を自己中止させず主治医へ情報提供・相談し、増悪因子であるプラーク性炎症を抑えます。
解説
写真には下顎前歯部の分葉状・線維性歯肉増殖がみられ、服薬開始後に増悪した経過から薬物性歯肉増殖を考えます。ニフェジピンなどのカルシウム拮抗薬は線維芽細胞・細胞外基質代謝へ影響し、プラーク性炎症が重なると病変が増悪します。まず服薬名・用量と全身状態を確認して内科主治医へ対診し、代替薬の可否を医師が判断します。同時に専門的清掃とセルフケアで炎症を減らし、残存増殖を再評価してから外科処置を検討します。
選択肢の確認
- a 歯肉の切除:炎症と服薬要因を調整する前に切除しても再発しやすいため、初診時の第一対応にはしません。
- b 服用薬の中止:高血圧・糖尿病治療を患者や歯科側の判断で止めると全身状態を悪化させるため、処方医の判断が必要です。
- c 内科主治医への対診:原因候補薬と全身管理について情報を共有し、同等効果をもつ代替薬への変更可能性を相談します。
- d プラークコントロール:歯肉縁の炎症を減らすことで腫脹・出血を改善し、薬物性増殖の程度と外科処置の必要性を再評価できます。
覚えるポイント
薬物性歯肉増殖は「自己中止させない・主治医へ対診・プラーク除去・再評価」が初期対応です。外科処置は残存病変に対して行います。