34AM039|第34回 歯科衛生士国家試験 過去問
43歳の男性。上顎前歯の変色を主訴として来院した。小学生の頃から縞模様が気になっていたという。初診時の口腔内写真を別に示す。 考えられる変色の原因はどれか。1つ選べ。

解答・解説を見る
正解: d
正答
d:テトラサイクリン系抗菌薬の長期服用
この問題のポイント
歯の形成期から続く左右対称・帯状の内因性変色を、原因薬剤と結び付けます。
解説
テトラサイクリン系薬は歯の石灰化期に投与されると、カルシウムとキレートを形成して象牙質・エナメル質へ取り込まれます。その後の光化学反応などにより黄褐色〜灰褐色の変色を示し、投与時期に対応した帯状・縞状の所見が現れることがあります。小学生頃から気付いていたという経過と、複数歯にみられる縞模様は内因性のテトラサイクリン歯を支持します。表面の外因性色素は清掃で改善しやすく、失活歯変色は通常一歯に目立ちます。フッ化物過剰による歯のフッ素症とは模様や色調、曝露歴を合わせて鑑別します。
選択肢の確認
- a 歯髄の失活:一歯性の暗色変化が典型で、複数歯の形成期からの縞模様とは合いません。
- b フッ化物の過剰摂取:白斑・不透明化や重症例の褐色斑を生じますが、写真の帯状変色の第一選択ではありません。
- c コーヒー色素の付着:歯面の外因性着色で、形成時期に対応する内部の縞をつくりません。
- d テトラサイクリン系抗菌薬:歯冠形成期の取り込みで帯状の内因性変色を生じるため正しいです。
覚えるポイント
形成期のテトラサイクリン→複数歯の帯状内因性変色。一歯性なら失活、表面性なら飲食物着色を考えます。