49D032|第49回 救急救命士国家試験 過去問
72歳の男性。糖尿病の既往あり、内服加療中。自転車で道路横断中、右側から直進してきたトラックにはねられて受傷し、通行人が救急要請した。 救急隊到着時観察所見:意識JCS20。呼吸数16/分。脈拍56/分。血圧156/84mmHg。SpO2値94%。瞳孔径は右4.0mm/左4.0mm。左側頭部に皮下血腫を認めた。その他明らかな四肢の変形や、外表上の損傷所見を認めない。 搬送途上、意識JCS100に低下し、瞳孔径は右6.0mm/左4.0mmに変化し、左上下肢の麻痺が出現した。この時のモニター所見を図に示す。 この傷病者に対する判断について正しいのはどれか。1つ選べ。

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正解: 4
正答
4.緊急手術を要する頭蓋内病変を疑う。
この問題のポイント
頭部外傷後、搬送中に意識が悪化し、瞳孔不同(右6mm)と対側(左)の片麻痺が出現し、モニターが脈拍48/分・血圧188/124mmHgのクッシング現象を示す場合は、急性硬膜外血腫などの頭蓋内血腫の増大による脳ヘルニアであり、緊急開頭手術が必要です。
解説
受傷後しばらくして意識が急激に悪化するのは頭蓋内血腫の増大を示し、右瞳孔散大は右の動眼神経麻痺(鉤回ヘルニア)、左片麻痺は右大脳の圧迫によるものです。徐脈と血圧上昇は頭蓋内圧亢進によるクッシング現象で、糖尿病薬の影響ではありません。本例は受傷直後から意識JCS20で明らかな意識清明期はなく、脳震盪の経過とも異なります。他部位の出血なら頻脈と血圧低下になるはずです。
選択肢の確認
1.意識清明期を伴う:受傷直後から意識障害があり、清明期はありません。
2.脳震盪の経過に一致する:脳震盪は悪化しません。
3.脈拍の変化は内服薬の影響である:徐脈は頭蓋内圧亢進によるクッシング現象です。
4.緊急手術を要する頭蓋内病変を疑う:血腫増大と脳ヘルニアの所見です。正答です。
5.他部位損傷による出血の進行がある:出血なら頻脈・血圧低下になります。
覚えるポイント
「頭部外傷+意識悪化+瞳孔不同+対側片麻痺+徐脈・高血圧=頭蓋内血腫の増大→脳神経外科へ急送」。