第48回・2025年
48D034|第48回 救急救命士国家試験 過去問
70歳の男性。転倒し左側頭部を打撲したため、通行人が救急要請した。 救急隊到着時観察所見:意識JCS10。発語あり。呼吸数20/分。脈拍84/分、整。血圧168/84mmHg。SpO2値96%(室内気)。救急搬送中、急激に意識障害が進行し、JCS200となった。瞳孔径は右5mm、左2mmである。同時に左片麻痺が出現した。 搬送中に意識レベルが変化した原因として、最も疑われるのはどれか。2つ選べ。
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正解2・3
正答
2.鉤回ヘルニア、3.頭蓋内血腫増大
この問題のポイント
血腫が大きくなって脳が押し出されたので、答えは鉤回ヘルニアと頭蓋内血腫増大です。右の瞳孔が開いて左半身が麻痺するのは、右側の血腫が脳を圧迫したサインだからです。
解説
頭を打った後、搬送中に急に意識が悪化しました。
右瞳孔の散大(5mm)と左片麻痺が出ています。
急性硬膜外血腫や硬膜下血腫は、受傷後数時間で大きくなります。
頭蓋内圧が上がると、側頭葉の鉤回がテント切痕(脳を仕切る膜のすき間)にはまり込みます。
これが鉤回ヘルニア(テント切痕ヘルニア)です。
血腫側(右)の動眼神経が圧迫され、右の瞳孔が開きます。
中脳の大脳脚が圧迫され、反対側(左)の片麻痺が出ます。
SpO2 96%なので低酸素血症は否定的です。
中心性ヘルニアは両側の縮瞳から始まります。
一次性脳幹損傷は受傷直後から意識障害があり、経過が違います。
左側頭部を打っても、反対側の血腫(コントラクー損傷)で右の病変が起こります。
選択肢の確認
1.低酸素血症:SpO2 96%で否定的です。
2.鉤回ヘルニア:瞳孔不同と反対側の片麻痺はテント切痕ヘルニアの所見です。正答です。
3.頭蓋内血腫増大:搬送中の急な悪化の原因です。正答です。
4.中心性ヘルニア:両側の縮瞳から始まり、瞳孔不同は典型的ではありません。
5.一次性脳幹損傷:受傷直後から重篤で、経過が合いません。
覚えるポイント
「搬送中の意識悪化+瞳孔不同+対側片麻痺=血腫増大による鉤回ヘルニア→脳神経外科へ急送、頭部挙上・適正換気」。
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