第48回・2025年
48D035|第48回 救急救命士国家試験 過去問
20歳の男性。オートバイ走行中に自己転倒し、目撃者が救急要請した。 救急隊到着時観察所見:意識JCS30。呼吸数38/分。脈拍130/分、整。血圧83/44mmHg。SpO2値88%。頸静脈怒張と右胸部の膨隆とを認める。頸部から胸部に握雪感がある。聴診で右呼吸音が減弱している この傷病者のショックの原因はどれか。1つ選べ。
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正解2
正答
2.静脈還流の減少
この問題のポイント
緊張性気胸なので、答えは静脈還流の減少です。胸の中の圧が上がって大静脈が押しつぶされ、血液が心臓に戻れなくなるからです。
解説
外傷後のショックに、頸静脈怒張、右胸の膨隆、皮下気腫(握雪感)、右呼吸音の減弱があります。
これは緊張性気胸です。
傷ついた肺から胸腔(肺を包む空間)へ空気が一方向に入り続けます。
胸腔内圧が上がり、患側の肺がつぶれ、縦隔が健側へ押されます。
上下の大静脈も圧迫されます。
静脈の血液が右心房に戻れなくなる(静脈還流の減少)ため、心拍出量が減ります。
これが閉塞性ショックです。
右心房圧はむしろ上がり、末梢血管は代償のために縮みます。
心筋の収縮力そのものは保たれています。
左胸腔内圧は押される影響を受けますが、ショックの原因ではありません。
選択肢の確認
1.右心房圧の低下:静脈圧は上がり、頸静脈が怒張します。
2.静脈還流の減少:緊張性気胸によるショックの仕組みです。正答です。
3.末梢血管の拡張:代償のためにむしろ縮みます。
4.心筋収縮力の低下:心筋そのものは保たれています。
5.左胸腔内圧の低下:ショックの原因ではありません。
覚えるポイント
「緊張性気胸=胸腔内圧上昇→静脈還流減少→閉塞性ショック(頸静脈怒張・呼吸音減弱・皮下気腫・気管偏位)」。
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