第46回・2023年

46C009|第46回 救急救命士国家試験 過去問

75歳の男性。乗用車運転中に電柱と衝突したため目撃者が救急要請した。 救急隊到着時観察所見:意識JCS1。呼吸数12/分。脈拍48/分、整。血圧75/40mmHg。SpO2値93%。 頸静脈の怒張はない。体幹皮膚には冷汗と湿潤とを認めない。呼吸音の左右差はなく、皮下気腫は認めない。腹式呼吸で、両上下肢の運動麻痺を認める。 この傷病者で最も考えられる病態はどれか。1つ選べ。

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正解3

正答

3.神経原性ショック

この問題のポイント

低血圧なのに徐脈で、皮膚が温かく、四肢麻痺と腹式呼吸があるので答えは3の神経原性ショックです。頸髄損傷で交感神経が働かなくなった状態です。

解説

頸髄(首の脊髄)が損傷すると交感神経の信号が途絶えます。
交感神経は血管を締めたり脈を速くしたりする神経です。
これが働かないと末梢血管が広がって血圧が下がり、脈は速くならず徐脈になります。
皮膚は温かく乾燥し、出血性ショックでみられる冷汗や蒼白がありません。
肋間筋の麻痺による腹式呼吸と、両上下肢の麻痺も頸髄損傷を示します。
循環血液量減少性ショックなら頻脈と冷汗、心外閉塞・拘束性ショックなら頸静脈怒張や呼吸音の左右差があるはずです。
敗血症性ショックは感染の経過、心原性ショックは心疾患を背景とします。

選択肢の確認

1.心原性ショック:頸静脈怒張や心疾患の背景がありません。
2.敗血症性ショック:外傷直後で感染の経過がありません。
3.神経原性ショック:徐脈・温かい皮膚・四肢麻痺・腹式呼吸が一致します。正答です。
4.循環血液量減少性ショック:頻脈と冷汗を伴うはずで、徐脈は合いません。
5.心外閉塞性・拘束性ショック:頸静脈怒張や呼吸音の左右差、皮下気腫がありません。

覚えるポイント

「外傷+低血圧+徐脈+温かい皮膚+麻痺=神経原性ショック」。ただし出血の合併もあり得るため全身観察は省略しません。

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