第48回・2025年

48D016|第48回 救急救命士国家試験 過去問

46歳の男性。オートバイ運転中に電柱に衝突したため、目撃した通行人が救急要請した。 救急隊到着時観察所見:意識JCS3。呼吸数28/分。脈拍120/分、整。血圧100/74mmHg。路肩に座り込んでおり、頸部に写真に示す所見を認める。外傷は胸壁前面に打撲痕を認めるが、呼吸音の左右差や皮下気腫は認めない。四肢末梢に冷感を認める。 この病態で生じる生理学的変化はどれか。1つ選べ。

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正解4

正答

4.心膜腔内圧の上昇

この問題のポイント

心タンポナーデなので、答えは心膜腔内圧の上昇です。心臓を包む袋(心膜)に血がたまって心臓を締めつけ、心臓が広がれなくなるからです。

解説

写真では頸静脈がはっきり怒張しています。
胸壁前面の打撲があり、頻脈、血圧低下、手足の冷感を認めます。
呼吸音の左右差や皮下気腫はないので、緊張性気胸は否定的です。
この組み合わせは心タンポナーデです。
胸を強く打って心臓が傷つくと、心膜腔(心臓を包む袋の中)に血がたまります。
心膜腔内圧が上がると心室が広がれず、静脈の血が心臓に戻れません。
そのため頸静脈が怒張し、心拍出量が減って血圧が下がります。
体は代わりに末梢の血管を縮めるので、手足は冷たくなります。
心収縮力の低下は心筋挫傷、循環血液量の減少は出血性ショックの仕組みです。
全身血管抵抗の低下は血液分布異常性ショックの仕組みです。

選択肢の確認

1.肺静脈圧の低下:心タンポナーデの仕組みではありません。
2.心収縮力の低下:心筋挫傷や心原性ショックの仕組みです。
3.循環血液量の減少:出血性ショックの仕組みです。
4.心膜腔内圧の上昇:心タンポナーデの本質的な変化です。正答です。
5.全身血管抵抗の低下:血液分布異常性ショックの仕組みです。

覚えるポイント

「胸部外傷+頸静脈怒張+ショック+呼吸音正常=心タンポナーデ(心膜腔内圧上昇)」。

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