第48回・2025年

48D017|第48回 救急救命士国家試験 過去問

67歳の女性。昨夜から呼吸がしにくいと訴えていた。今朝になってピンク色の痰が出たため、家族が救急要請した。 救急隊到着時観察所見:意識JCS1。呼吸数32/分。脈拍110/分。血圧180/110mmHg。SpO2値86%。全肺野で水泡音を聴取し、両下肢に浮腫を認める。 この傷病者について最も考えられる病態はどれか。1つ選べ。

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正解2

正答

2.前負荷が増大している。

この問題のポイント

うっ血性心不全で体に水がたまっているので、答えは前負荷の増大です。前負荷とは心臓に戻ってくる血液の量のことで、これが増えすぎて肺に水があふれているからです。

解説

ピンク色の泡のような痰、全肺野の水泡音、両下肢の浮腫は急性心不全による肺水腫です。
心不全では腎臓で水とナトリウムがたまり、体を回る血液の量が増えます。
すると静脈から心臓に戻る血液、つまり前負荷が増えます。
左室の力が落ちているので、増えた血液を送り出せません。
そのため1回拍出量や左室駆出率は下がります。
肺の静脈に圧がかかり、肺の水分は増えて肺水腫になります。
血圧180/110mmHgは交感神経の緊張で後負荷(心臓が押し出す抵抗)が増えていることを示します。
後負荷の低下ではありません。

選択肢の確認

1.後負荷が低下している。:血圧が高く、後負荷はむしろ増えています。
2.前負荷が増大している。:体液の貯留で心臓に戻る血液が増えており、正しい記述です。正答です。
3.肺水分量が減少している。:肺水腫なので増えています。
4.1回拍出量が増大している。:心機能が落ちているので減っています。
5.左室駆出率が上昇している。:心機能が落ちているので低下しています。

覚えるポイント

「うっ血性心不全=前負荷増大(浮腫・頸静脈怒張)+肺うっ血(起坐呼吸・水泡音・ピンク色泡沫痰)」。

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