49D033第49回 救急救命士国家試験 過去問

60歳の女性。自転車走行中に、段差により転倒したため通行人が救急要請した。 救急隊到着時観察所見:意識JCS20。呼吸数24/分。脈拍88/分、整。血圧138/86mmHg。SpO2値96%。全身観察では、下顎の変形と前頸部の腫脹とを認める。体表からの出血は認めない。胸腹部に打撲痕はなく、胸郭の挙上と呼吸音とに左右差はない。脊椎運動制限を行い、救急車に搬入した。 この傷病者の搬送中に最も注意すべき変化はどれか。1つ選べ。

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正解: 2

正答

2.気道閉塞

この問題のポイント

下顎の変形と前頸部の腫脹を伴う顔面・頸部の外傷では、下顎骨骨折による舌根沈下や口腔内出血、頸部血腫の増大による気道の圧迫で気道閉塞が進行する危険があり、搬送中に最も注意すべき変化です。

解説

下顎骨骨折では舌を支える構造が失われて舌根が沈下し、口腔内の出血や腫脹とともに気道を閉塞します。前頸部の腫脹は血腫や喉頭損傷を示し、時間とともに増大して気道を圧迫します。意識JCS20で自ら気道を守る力が低下しているため、搬送中は嗄声、喘鳴、呼吸困難の出現に注意し、吸引や体位の工夫、必要なら気道確保を行います。バイタルサインは安定し胸腹部の所見がないため、不整脈、血圧低下、腹部膨隆、胸郭の左右差は本例で最も注意すべき変化ではありません。

選択肢の確認

1.不整脈:本例の損傷からは予測されません。
2.気道閉塞:顔面・頸部外傷で最も警戒すべき変化です。正答です。
3.血圧低下:出血の所見はなく優先度は低いです。
4.腹部膨隆:腹部に打撲痕がなく可能性は低いです。
5.胸郭挙上の左右差:胸部所見は正常です。

覚えるポイント

「下顎骨折・前頸部腫脹=気道閉塞の進行に注意(嗄声・喘鳴・呼吸困難を監視)」。

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