第46回・2023年
46D014|第46回 救急救命士国家試験 過去問
70歳の女性。国際線降機時、突然呼吸困難を訴えて倒れたため、職員が救急要請した。 救急隊到着時観察所見:意識JCS20。呼吸数32/分。脈拍120/分。血圧100/70mmHg。SpO2値88%。口唇チアノーゼあり。酸素投与下(10L/分リザーバマスク)のSpO2値92%。呼吸音左右差なし、雑音なし。頸静脈怒張あり。 この傷病者のSpO2値低下の機序はどれか。1つ選べ。
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正解5
正答
5.換気血流比異常
この問題のポイント
肺血栓塞栓症が疑われるので答えは5の換気血流比異常です。血栓で肺の血管が詰まると、空気は入るのに血液が流れない肺胞ができて酸素が取り込めなくなります。
解説
長時間のフライト後の突然の呼吸困難、SpO2低下、頸静脈怒張、呼吸音は正常という所見は肺血栓塞栓症です。
下肢の深部静脈にできた血栓が肺動脈に飛んで詰まります。
詰まった先の肺胞は、換気(空気の出入り)はあっても血流がないため、ガス交換に役立ちません(死腔換気の増加)。
残りの肺に血流が集中し、換気と血流のバランス(換気血流比)が崩れて低酸素血症になります。
このタイプの低酸素は酸素を投与しても改善しにくいのが特徴です。
拡散障害は間質性肺炎や肺水腫の機序で、上気道・下気道の狭窄は喘鳴や呼吸音の異常を伴い、呼吸筋の麻痺は神経筋疾患でみられます。
選択肢の確認
1.拡散障害:間質性肺炎や肺水腫の機序です。
2.上気道の狭窄:吸気性喘鳴を伴い、本例には合いません。
3.下気道の狭窄:呼気性喘鳴やラ音を伴います。
4.呼吸筋の麻痺:神経筋疾患の機序です。
5.換気血流比異常:肺血栓塞栓症による低酸素血症の機序です。正答です。
覚えるポイント
「長時間の座位・臥床後の突然の呼吸困難+頸静脈怒張+呼吸音正常=肺血栓塞栓症(換気血流比異常)」。
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