46D013|第46回 救急救命士国家試験 過去問
82歳の男性。鼻血が止まらないため家族が救急要請した。 救急隊到着時観察所見:意識清明。呼吸数32/分。脈拍128/分、不整。血圧92/40mmHg。体温35.8℃。SpO2値98%。眼瞼結膜は蒼白で眼球結膜に黄染はない。 心房細動の既往があり近医から脳梗塞を予防する目的で抗凝固薬が処方されているとのことを聴取する。2週前から夏の暑さで食欲不振となりあまり飲食できなくなったが内服薬は規則正しく服用していたとのことである。 この傷病者の鼻血の原因として最も考えられるのはどれか。1つ選べ。
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正解: 3
正答
3.内服薬効果過剰
この問題のポイント
抗凝固薬を服用中の高齢者が、食欲不振で飲食量が減った状態で内服を続けると、薬の効果が過剰になって出血しやすくなります。鼻出血が止まらず貧血とショックを来した本例はその典型です。
解説
ワルファリンなどの抗凝固薬は、食事量の減少や脱水、他の薬剤との相互作用で効果が強まりやすく、鼻出血や消化管出血、皮下出血を起こします。本例は2週間の食欲不振の中で内服を続けており、薬効過剰による出血が最も考えられます。肝硬変では黄疸や腹水、血小板減少症では紫斑、ビタミンC欠乏は長期の偏食による壊血病、DICは重症感染や悪性腫瘍を背景に全身の出血傾向を来すもので、本例の経過には合いません。
選択肢の確認
1.肝硬変:黄染がなく背景もありません。
2.血小板減少症:本例で示唆する所見がありません。
3.内服薬効果過剰:抗凝固薬と食欲不振の組み合わせで最も考えられます。正答です。
4.ビタミンC欠乏:2週間の食欲不振で壊血病は起こりません。
5.DIC(播種性血管内凝固症候群):重症基礎疾患の経過がありません。
覚えるポイント
「抗凝固薬服用者の出血=薬効過剰を考える(食事量減少・脱水・薬物相互作用が誘因)」。服薬情報は必ず医療機関へ伝えます。