49D011第49回 救急救命士国家試験 過去問

68歳の女性。新型コロナウイルス感染症に罹患し、数日前から臥床が続き、左下肢のむくみを認めていた。本日トイレに行った後から急に息苦しくなり、救急要請した。 救急隊到着時観察所見:意識JCS2。呼吸数36/分。脈拍120/分。血圧76/52mmHg。体温38.0℃。SpO2値75%。異常呼吸音を聴取しない。外頸静脈怒張を認め、左ふくらはぎの痛みを訴える。心電図モニター波形を別に示す。酸素投与を行い搬送開始したが、容態変化し心肺機能停止状態となったため心肺蘇生を開始した。 心肺機能停止の直接の原因として最も考えられるのはどれか。1つ選べ。

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正解: 2

正答

2.肺血栓塞栓症

この問題のポイント

感染症で数日間臥床し、左下肢のむくみと痛みがあり、トイレの後に突然の呼吸困難、高度のSpO2低下、頻脈、血圧低下、頸静脈怒張、呼吸音正常を呈した本例は、深部静脈血栓による肺血栓塞栓症で、心肺停止の直接の原因も肺動脈の閉塞です。

解説

長期臥床と感染で下肢に深部静脈血栓が形成され、体動(排泄)をきっかけに血栓が肺動脈に飛びました。図の心電図は洞性頻脈で、右心負荷を反映します。広範な肺動脈閉塞は右心不全から閉塞性ショック、そして無脈性電気活動による心停止に至ります。急性心筋梗塞では胸痛と心電図変化、うっ血性心不全では水泡音、ウイルス性肺炎では呼吸音の異常、心筋炎では心電図の伝導障害などがみられ、本例の呼吸音正常・頸静脈怒張・下肢腫脹の組み合わせには肺血栓塞栓症が最も合います。

選択肢の確認

1.急性心筋梗塞:胸痛やST変化がなく否定的です。
2.肺血栓塞栓症:臥床・下肢腫脹・突然の呼吸困難・頸静脈怒張に一致します。正答です。
3.うっ血性心不全:水泡音がなく否定的です。
4.ウイルス性肺炎:呼吸音正常で急激な経過に合いません。
5.ウイルス性心筋炎:心電図所見や経過が合いません。

覚えるポイント

「臥床+下肢腫脹+体動後の突然の呼吸困難+頸静脈怒張+呼吸音正常=肺血栓塞栓症(PEAによる心停止)」。

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