第48回・2025年
48D012|第48回 救急救命士国家試験 過去問
20歳の女性。10日前から40℃台の発熱、頭痛および下痢があり、自宅で様子をみていた。その後徐々に倦怠感が強くなり、前胸部痛と息苦しさも出現し、仰臥位のまま動けなくなったため、救急要請した。 救急隊到着時観察所見:意識JCS10。呼吸数36/分。脈拍48/分、不整。収縮期血圧56mmHg(触診)。SpO2値95%。外頸静脈は張っている。除細動パッドを装着し、酸素投与を開始し、SpO2値は99%に上昇した。心電図モニター波形を示す。 搬送中の適切な体位はどれか。1つ選べ。

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正解1
正答
1.仰臥位
この問題のポイント
ショックと心不全を同時に起こしているので、答えは仰臥位です。血圧が低いので上体を起こせず、頸静脈が張っているので足も上げられないからです。
解説
発熱のあとに胸痛、徐脈、血圧低下(56mmHg)、頸静脈怒張が出た若い女性です。
急性心筋炎(心臓の筋肉の炎症)による心原性ショックと房室ブロックが疑われます。
図の心電図はP波とQRSのつながりが途切れた高度の房室ブロックです。
心筋炎で刺激伝導系(心臓の電気の通り道)が傷ついたと考えられます。
収縮期血圧56mmHgのショックでは、起坐位やファウラー位は脳の血流をさらに減らして危険です。
頸静脈怒張があり心不全も合併しています。
足側高位(足を上げる体位)は心臓に戻る血液を増やして心不全を悪化させる恐れがあります。
意識JCS10で気道は保たれているので、回復体位も必要ありません。
だから仰臥位で搬送し、致死性不整脈に備えて監視します。
選択肢の確認
1.仰臥位:ショックと心不全を合併した本例に適した体位です。正答です。
2.起坐位:血圧低下を悪化させます。
3.回復体位:気道は保たれているので不要です。
4.足側高位:心不全を悪化させる恐れがあります。
5.ファウラー位:血圧低下を悪化させます。
覚えるポイント
「感冒症状の後の胸痛・徐脈・ショック=急性心筋炎(房室ブロック)」「心原性ショック+心不全=仰臥位で搬送」。
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