48D029第48回 救急救命士国家試験 過去問

70代の男性。2日前から全身倦怠感、手足に力が入りにくい症状を認め、本日歩行不能となったため、家族が救急要請した。 救急隊到着時観察所見:意識JCS2呼吸数32/分。脈拍124/分、整。血圧80/62mmHg。体温38.5℃。SpO2値96%(室内気)。四肢に熱感を認める。心電図モニター波形を示す。昼に排尿したところ、赤黒い尿が出たことを聴取した。1週前から、認知症に伴うせん妄に対して新しい薬が開始されたとのことである。 この傷病者への対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

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正解: 2・5

正答

2.AEDの装着、5.乳酸リンゲル液を用いた静脈路確保および輸液

この問題のポイント

抗精神病薬の新規開始後の高熱、筋力低下、赤黒い尿(ミオグロビン尿)、ショック、心電図の高カリウム血症所見は、悪性症候群に伴う横紋筋融解症です。致死性不整脈に備えてAEDを装着し、ショックと腎障害の予防に静脈路確保と輸液の指示要請を行います。

解説

悪性症候群では筋強剛と高熱により横紋筋が融解し、ミオグロビンが腎臓を障害して急性腎不全を、カリウムが流出して高カリウム血症を来します。図の心電図はテント状のT波と幅の広いQRSで高カリウム血症を示し、心室細動へ移行する危険があるためAEDを装着して監視します。血圧80/62mmHgのショックに対し、乳酸リンゲル液による静脈路確保と輸液の指示要請を行い、腎障害の予防にもつなげます。四肢の冷却は高熱への対応として不十分で、整形外科ではなく集中治療のできる医療機関へ搬送します。ブドウ糖投与は低血糖の処置です。

選択肢の確認

1.四肢の冷却:全身の冷却は必要ですが四肢の冷却だけでは不十分です。
2.AEDの装着:高カリウム血症による致死性不整脈に備えます。正答です。
3.整形外科への搬送:集中治療が必要で整形外科の適応ではありません。
4.ブドウ糖溶液の投与:低血糖の処置で本例には無関係です。
5.乳酸リンゲル液を用いた静脈路確保および輸液:ショックと腎障害予防に適切です。正答です。

覚えるポイント

「抗精神病薬+高熱+筋強剛+赤黒い尿=悪性症候群・横紋筋融解→高カリウム血症(AED)と輸液」。

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