Y2023M04E2Q18第2023年4月公表(第二種) 第一種・第二種衛生管理者免許試験 過去問

第二種労働衛生食中毒

食中毒に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

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正解: 3

正答

3

この問題のポイント

代表的な食中毒について、原因となる菌や毒素、原因食品、加熱・消毒の有効性を区別します。

腸炎ビブリオ菌は熱に弱いため、「熱に強い」とする3が誤りです。

解説

黄色ブドウ球菌による食中毒は、菌そのものが腸管内で増殖して起こるのではなく、食品中で菌が増殖する際に産生したエンテロトキシンを摂取して起こる毒素型食中毒です。調理する人の手指の傷などが汚染源となることがあるため、手洗い、手袋の適切な使用、食品の低温管理が重要です。

サルモネラ菌は、鶏卵や食肉などが原因となることがあります。十分な加熱と、殻や生肉から他の食品への二次汚染防止が基本です。

腸炎ビブリオ菌は海水中に存在する好塩性の菌で、生の魚介類などが原因となります。増殖が速い一方で、熱と真水に弱い性質があります。そのため、魚介類を水道水で洗い、低温で保存し、加熱することが予防につながります。

ボツリヌス菌は酸素の少ない環境で増殖する嫌気性菌で、缶詰や真空パック食品などで毒素を産生することがあります。ボツリヌス毒素は神経と筋の働きを妨げ、複視、嚥下困難、筋力低下、呼吸困難などの麻痺症状を起こします。

ノロウイルスには、次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系消毒剤や加熱処理が有効です。手洗い、食品の十分な加熱、嘔吐物や便の適切な処理も欠かせません。

ひっかけポイント
「海水中で速く増殖する」という性質と「熱に強い」という性質は別です。腸炎ビブリオ菌は条件が整うと速く増殖しますが、熱には弱い菌です。

衛生管理者としての実務ポイント
事業場の食堂や給食施設では、調理従事者の健康確認、手指衛生、交差汚染の防止、加熱温度と保存温度の管理を確認します。複数の労働者に嘔吐や下痢が生じた場合は、発症状況や喫食内容を記録し、施設責任者、産業医、保健所などとの連携につなげます。

選択肢の確認

1.黄色ブドウ球菌による食中毒は、食品に付着した菌が食品中で増殖した際に生じる毒素により発症する。
記述としては正しい。
黄色ブドウ球菌が食品中で増殖する際に産生したエンテロトキシンを摂取することにより発症する、毒素型食中毒です。

2.サルモネラ菌による食中毒は、鶏卵が原因となることがある。
記述としては正しい。
サルモネラ菌に汚染された鶏卵は原因食品となることがあり、生食や加熱不足、調理器具を介した二次汚染に注意が必要です。

3.腸炎ビブリオ菌は、熱に強い。
正答。記述としては誤り。
腸炎ビブリオ菌は熱に弱く、十分な加熱によって死滅します。真水にも弱い性質があります。

4.ボツリヌス菌は、缶詰、真空パック食品など酸素のない食品中で増殖して毒性の強い神経毒を産生し、筋肉の麻痺症状を起こす。
記述としては正しい。
ボツリヌス菌は酸素の少ない密封状態で増殖して強力な神経毒を産生することがあり、筋力低下や呼吸困難などの麻痺症状を起こします。

5.ノロウイルスの失活化には、煮沸消毒又は塩素系の消毒剤が効果的である。
記述としては正しい。
加熱処理や、次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系消毒剤は、ノロウイルスの失活化に有効です。

この問題では「誤っているもの」を選ぶため、3が正答です。

覚えるポイント

  • 黄色ブドウ球菌食中毒は、食品中で産生された毒素によって起こる。
  • サルモネラ菌食中毒では、鶏卵や食肉、二次汚染に注意する。
  • 腸炎ビブリオ菌は熱と真水に弱く、低温管理が重要である。
  • ボツリヌス菌は酸素の少ない密封食品で毒素を産生し、麻痺症状を起こすことがある。
  • ノロウイルスの失活化には、加熱や塩素系消毒剤が有効である。

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