Y2023M10E2Q18|第2023年10月公表(第二種) 第一種・第二種衛生管理者免許試験 過去問
脳血管障害及び虚血性心疾患に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 2
正答
2
この問題のポイント
脳梗塞、くも膜下出血、虚血性心疾患及び心筋梗塞の成り立ちと症状を区別する問題です。
くも膜下出血では、脳動脈瘤が破裂した時点で、突然の激しい頭痛が起こるのが典型です。「破れて数日後」に発症するわけではありません。
解説
脳血管障害は、血管が詰まる虚血性病変と、血管が破れる出血性病変に大別されます。虚血性の脳血管障害である脳梗塞には、脳血管自体の動脈硬化性病変を背景に血栓が形成される脳血栓症と、心臓などでできた血栓が流れてきて脳血管を閉塞する脳塞栓症があります。
くも膜下出血は脳動脈瘤の破裂などにより起こり、破裂したときに突然、経験したことのないような激しい頭痛や意識障害などを生じるのが典型です。したがって、脳動脈瘤が破れて「数日後」に激しい頭痛で発症するとする2は誤りです。
虚血性心疾患は、冠動脈の狭窄や閉塞により心筋への血液供給が不足又は途絶して生じます。心筋梗塞では激しい胸痛や圧迫感が長く続くことがあり、運動負荷心電図は、安静時には現れにくい心筋虚血に伴う変化の把握に有用です。
ひっかけポイント
くも膜下出血の頭痛は、動脈瘤の破裂から数日遅れて起こるのではなく、破裂に伴って突然起こります。「突然」という時間経過が重要です。
衛生管理者としての実務ポイント
突然の激しい頭痛、意識障害、片側の麻痺、言語障害、長く続く激しい胸痛などが現れた場合は、本人に歩行や自動車運転をさせず、直ちに救急要請します。職場の緊急連絡手順とAEDの位置も日頃から周知します。
選択肢の確認
1.虚血性の脳血管障害である脳梗塞は、脳血管自体の動脈硬化性病変による脳血栓症と、心臓や動脈壁の血栓が剥がれて脳血管を閉塞する脳塞栓症に分類される。
記述としては正しい。
脳血栓症は脳血管自体の動脈硬化性病変を背景に血栓が形成されるもので、脳塞栓症は心臓や動脈壁などでできた血栓が流れて脳血管を塞ぐものです。
2.くも膜下出血は、通常、脳動脈瘤 が破れて数日後、激しい頭痛で発症する。
正答。記述としては誤り。
くも膜下出血の激しい頭痛は、通常、脳動脈瘤が破裂したときに突然起こります。破裂から数日後に発症するという記述が誤りです。
3.虚血性心疾患は、冠動脈による心筋への血液の供給が不足したり途絶えることにより起こる心筋障害である。
記述としては正しい。
冠動脈の狭窄や閉塞によって心筋への酸素と栄養の供給が不足又は途絶し、狭心症や心筋梗塞などが起こります。
4.心筋梗塞では、突然激しい胸痛が起こり、「締め付けられるように痛い」、「胸が苦しい」などの症状が、1時間以上続くこともある。
記述としては正しい。
心筋梗塞では強い胸痛や圧迫感が長時間続き、1時間以上持続することもあります。緊急の治療が必要な状態です。
5.運動負荷心電図検査は、虚血性心疾患の発見に有用である。
記述としては正しい。
運動によって心臓に負荷をかけ、安静時には現れにくい虚血性変化を心電図で確認するため、虚血性心疾患の発見に有用です。
この問題では「誤っているもの」を選ぶため、記述として誤っている2が正答です。
覚えるポイント
- 脳血栓症は脳血管の局所で血栓が形成され、脳塞栓症は別の場所から来た血栓などが脳血管を塞ぐ。
- くも膜下出血は、脳動脈瘤の破裂時に突然の激しい頭痛で発症することが多い。
- 虚血性心疾患は、冠動脈から心筋への血液供給不足で起こる。
- 心筋梗塞の胸痛は長時間続くことがある。
- 運動負荷心電図は、虚血性心疾患の発見に有用である。