119B46|第119回 医師国家試験 過去問
内科系消化器内科消化管出血・内視鏡
この患者の直腸指診で得られる便の性状で可能性が高いのはどれか。
解答・解説を見る
正解: e
正解
e タール便
病態の整理
この患者では、
- 空腹時の心窩部痛
- 心窩部圧痛
- 眼瞼結膜の貧血様
- 1か月前からの市販鎮痛薬内服
から、NSAIDs による胃潰瘍や十二指腸潰瘍、それに伴う上部消化管出血をまず考えます。
なぜタール便か
上部消化管で出血すると、血液は消化管内で消化されて黒色となり、粘稠で光沢のあるタール便、melenaとして排泄されます。
直腸指診で黒色便が確認できれば、上部消化管出血を強く疑います。
各選択肢の検討
a 脂肪便
吸収不良や膵外分泌不全でみられる便です。今回の病態とは合いません。b 水様便
感染性腸炎などでみられます。心窩部痛と貧血の説明になりません。c 粘血便
大腸炎や直腸病変でみられます。上部消化管出血では典型的ではありません。d 灰白色便
胆道閉塞による無胆汁便でみられます。眼球結膜黄染もなく、合いません。e タール便
正しい選択肢です。上部消化管出血に典型的です。
ひっかけポイント
「胃癌ではないか」という患者の不安に引っ張られやすいですが、症候学としてはNSAIDs 関連潰瘍出血がまず重要です。
国試では、黒色便は上部消化管出血という基本を確実に押さえます。
まとめ
この患者の直腸指診で得られる可能性が高い便性状は、タール便です。