第105回
105PM024|第105回 助産師国家試験 過去問
新生児の皮膚の成熟度を評価するためにDubowiz法を用いた。項目と所見の組合せでより成熟度が高いのはどれか。
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正解2
正答
2.構造 ― 羊皮紙様
この問題のポイント
Dubowitz法の外表所見のうち、皮膚に関する項目で成熟側の所見はどれかを問う問題です。胎児の皮膚は成熟とともに角質層が厚くなり、皮下脂肪も増えます。そのため、薄く赤く透けていた皮膚が、厚く乾いて色が淡くなり、血管も見えなくなっていきます。この変化の方向が分かれば、成熟側の所見は皮膚構造の「羊皮紙様」だけだと判断できます。
解説
Dubowitz法とは
Dubowitz(デュボヴィッツ)法は、出生後の新生児を診察して在胎週数(成熟度)を推定する方法です。問題文の「Dubowiz法」はこの方法を指しています。
- 外表所見11項目:浮腫、皮膚の構造、皮膚の色、皮膚の透明度(体幹)、うぶ毛(背部)、足底のしわ、乳頭の形成、乳房の大きさ、耳介の形、耳介の硬さ、外性器
- 神経学的所見10項目:姿勢、スクエアウィンドウ(手首の屈曲角)、膝窩角、スカーフ徴候、踵耳試験など
これらを項目ごとに点数化し、合計点から在胎週数を推定します。点数が高いほど成熟していることを表します。項目を絞って簡略化したものがBallard法で、超早産児まで評価できるように拡張したものがNew Ballard法です。
成熟に伴う皮膚の変化
- 構造:非常に薄くゼラチン様(0点)→ 薄く滑らか → 中等度の厚さで発疹や表面の落屑 → やや厚く、手足を中心に表面の亀裂と落屑 → 厚く羊皮紙様で、表面または深い亀裂(4点)
- 色(啼泣していないときに見る):暗赤色(0点)→ 全体に均一なピンク → 淡いピンクで部位による差がある → 蒼白で、耳・口唇・手掌・足底だけがピンク(3点)
- 透明度(体幹):腹部に多数の静脈・細静脈がはっきり見える(0点)→ 静脈とその分枝が見える → 腹部に太い血管が少数はっきり見える → 少数がぼんやり見える → 血管が見えない(4点)
- うぶ毛(背部):うぶ毛がない(0点)→ 背中全体に長く濃く豊富 → 特に腰部で薄くなる → 少量で無毛部がある → 背中の半分以上が無毛(4点)
- 足底のしわ:しわがない(0点)→ 前半分に淡い赤い線 → 前方からしわが広がり、くぼみが深くなる → 前方3分の1以上に明確で深いくぼみ(4点)
色と透明度が変わる理由は同じです。皮膚が薄く皮下脂肪が少ないうちは、真皮の血流や皮下の静脈が透けて見えます。皮膚が厚くなり脂肪が蓄積すると、それらが隠れていきます。
うぶ毛は注意が必要です。最も未熟な段階ではまだ生えておらず0点です。その後いったん背中全体に豊富に生え、成熟とともに抜けていきます。「うぶ毛がない=成熟」とは限りません。
正答の判断
「羊皮紙様」は皮膚構造の最高点にあたる所見で、成熟度が高いことを示します。ほかの4つの選択肢は、いずれも各項目の0点または低い点数にあたる未熟な所見です。
実践での意義
在胎週数は、最終月経や妊娠初期の超音波検査で決めるのが原則です。しかし、妊婦健診の未受診や飛び込み分娩で週数が分からない場合や、出生児の所見が週数と合わない場合には、出生後の成熟度評価が役立ちます。推定した在胎週数と出生体重を組み合わせて、SGA・AGA・LGAを判定します。そのうえで、早産児や過期産児に起こりやすい低体温、低血糖、呼吸障害などに備えた観察とケアにつなげます。過期産児では皮膚の乾燥、落屑、深い亀裂が目立ちます。
選択肢の確認
1.色 ― 暗赤色:暗赤色は皮膚色の項目で0点にあたり、最も未熟な所見です。皮膚が薄く皮下脂肪が乏しいため、血流が透けて赤黒く見えます。成熟すると均一なピンクから淡いピンクになり、満期ころには耳・口唇・手掌・足底以外は蒼白に近くなります。新生児の赤い皮膚を「元気な色」と取り違えないよう注意します。
2.構造 ― 羊皮紙様:正答。羊皮紙様は皮膚構造の項目の最高点(4点)にあたります。角質層が発達して皮膚が厚く乾燥し、表面や深い部分に亀裂を伴うこともある状態で、成熟度が高いことを示します。未熟な皮膚は薄くゼラチン様で、段階的に厚みを増してこの状態に至ります。
3.足底部 ― しわがない:足底にしわがまったくないのは足底のしわの項目で0点にあたり、未熟な所見です。しわはまず足底の前方に淡い赤い線として現れます。成熟とともに踵の方向へ広がり、くぼみが深くなります。成熟した児では前方3分の1以上に明確で深いしわを認めます。
4.うぶ毛 ― 背中全体に多数:背中全体に長く濃いうぶ毛が豊富にあるのは、うぶ毛の項目で1点にあたる未熟な段階です。成熟するにつれ、腰部から薄くなって無毛部が増えます。背中の半分以上が無毛になれば4点です。最も未熟な段階ではうぶ毛がまだ生えておらず0点になる点も、あわせて押さえておきます。
5.透明度 ― 腹壁に血管が見える:腹壁を通して血管がはっきり見えるのは、皮膚が薄く皮下脂肪が少ない未熟な所見です。透明度の項目では、多数の静脈・細静脈が見えるのが0点で、見える血管が少なく不明瞭になるほど点数が上がります。血管がまったく見えなくなると4点です。
覚えるポイント
- Dubowitz法は外表所見11項目と神経学的所見10項目を点数化し、合計点から在胎週数を推定します。簡略版がBallard法、超早産児まで評価できるよう拡張したものがNew Ballard法です。
- 皮膚成熟の方向は「薄くゼラチン様 → 厚く羊皮紙様・亀裂」「暗赤色 → 淡いピンク・蒼白」「血管が透ける → 見えない」です。
- 足底のしわは「なし → 前方に淡い赤い線 → 踵方向へ広がり深くなる」と進みます。
- うぶ毛は「なし(最未熟)→ 背中全体に豊富 → 腰部から薄くなり無毛部が増える」と変化し、一方向に増減するわけではありません。
- 出生後の成熟度評価は、在胎週数不明のときや週数と所見が合わないときに役立ち、出生体重と合わせてSGA・AGA・LGAの判定とリスク予測に使います。
掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。
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